無垢フローリングと複合フローリングを比較した結果

無垢フローリングと複合フローリングを比較した結果

弊社サイト記事にて幾度となくテーマに挙げている無垢フローリングと複合フローリングのトピック、お電話やmailにてお問い合わせ頂く機会も多く、ショールームでも結局どちらが良いのか?非常にご質問頂く内容です。

過去の記事よりはフローリングの種類から具体的にお住まいの用途や生活様式に合わせて考察していく内容を記しているのですが、今回は無垢フローリングと複合フローリングを比較した際どのようなメリット・デメリットがあるのか無垢フローリング専門通販キャスオンラインの冨島が解説していきたいと思います。

1.無垢フローリングと複合フローリングの主な違い

フローリングの種類 図

先ず一見無垢フローリングと複合フローリング比較すると一見同じようなビジュアル、何がどう異なるのか分からない方の割合が多いかと思います。無垢フローリングと複合フローリングの主な違いは以下3点を挙げられるでしょう。

  • ・違い①収縮や反りなど寸法安定性
  • ・違い②床暖房に対応しているか
  • ・違い③板幅が狭い・広い

主な違いを1点ごと解説していきましょう。

違い①収縮や反りなど寸法安定性

無垢フローリングと複合フローリングの大きな違い1点めはフローリング材自体の寸法安定性に関して。無垢フローリングのデメリットとも言われる収縮や反り、施工不良や無垢フローリング材自体に適切なケアを怠ってしまうと歪みが生じ突き上げ・ひび割れなど形状が変化してしまうリスクがございます。

一方で無垢フローリングのメリットでございます調湿効果。無垢材が空気中の湿度を吸放出することで、居住空間の湿度を一定に保つ作用がございます。調湿の作用は無垢フローリング材自体が呼吸、即ち収縮や形状変化を行うことで調湿効果を発揮します。

一概に無垢フローリング材自体の形状変化がリスクというよりは、過乾燥や湿気が滞留しすぎる点が原因に有る為換気を行う、適切なメンテナンスを行うなどしてお住まいの環境、無垢フローリングを労わってあげることで収縮や反りなどの形状変化のリスクは軽減されます。

違い②床暖房に対応しているか

近年国策の一環としてエネルギー収支0かつ省エネ住宅を推進しておりZEH(ゼッチ)住宅、高断熱・高気密、効率的な設備の導入を行うお住まいが年々増加しております。フローリングを販売している立場としても床暖房を導入する世帯数は以前より増加した実感がございます。

違い2点目は床暖房に対応しているフローリングか否か。無垢フローリングは既述した通り形状変化が起こりやすい部類に入る為、床暖房を推奨しておりません。フローリング材裏側が過乾燥や強めの熱源が有った際歪みが生じやすいとされている為です。

一方で複合フローリングは標準規格として床暖房に対応しているラインナップも多く、長らく実績があるので販売している側や建築に携わっている会社さまよりお勧めしやすいかと思います。しかしながら急激な温度上昇伴う床暖房の設備は推奨しておらず、ヒートポンプいわゆる温水循環式の緩やかに熱源を発生させる設備を推奨しております。

違い③板幅が広い・狭い

無垢フローリング、複合フローリング最後の違いが板幅の違いに関して。以前無垢フローリングのラインナップにて150mm巾の輸入材など市場に多かったのですが徐々に減少している傾向にあります。何故かと言うとシンプルに板幅が広くなるほど収縮や反りなどのリスクが上がってしまう為です。板幅相当の厚みがあれば樹種によっては大丈夫かもしれませんが、90-120mm巾が今のところ日本の環境に適しているのではないでしょうか。

複合フローリングに関しては収縮や反りに強い基材を有している為板幅の選択肢が多い点は事実です。120mm巾から190mm巾まで非常に幅広のフローリングを形成することが出来ます。人間の視覚効果の観点から板幅が広い程開放的な空間に見え、板幅が狭い程奥行きがあるように見えます。

最近は天井高があるお住まいや吹き抜けを採用される方がトレンドなのか以前より多いように見受けられますが、さらに幅が広いフローリングを採用されると開放度が上がります。無垢フローリングと複合フローリングの主な違いを解説致しましたが次項からはどちらが安価?高価なのかコスト面にフォーカスし解説していきましょう。 

2.市場相場は無垢フローリングの方が高い?

フローリングサンプル

「無垢フローリングは高いですよね?」「複合フローリングの方が安価なはず」などショールームにいらっしゃった際皆さま複合フローリングの方が安価だと認識されている方が多いです。なので無垢フローリングの方が敷居が高いと思われておりますが無垢フローリングと比較すると複合フローリング同様価格の幅が大きく安価な床材もあれば高価な床材もございます。双方のフローリングの価格相場に関して要点をまとめつつ解説していきましょう。

一枚板かユニタイプ(継いでいる材か)

◆ユニタイプフローリング

ユニタイプ 無垢フローリング

無垢フローリングの規格内にてメジャーなユニ(Uni)タイプ、ユニタイプの特徴は1枚の(1820mm)床板に対し3-5ピース程継いでいる規格でございます。対して継いでいないフローリングは?というと長さ1820mmの1枚板で形成されているソリッドタイプです。

◆ソリッドタイプフローリング

ソリッドタイプ 無垢フローリング

ユニタイプの無垢フローリングとして形成する際端材を組み合わせることで形成することができ、1本の原木から無垢フローリングとしての数量を豊富に生産出来る為木の種類にもよりますが価格の範囲が広く安価になる傾向にあります。ソリッドタイプの無垢フローリングに関しては1本の原木から1枚板として綺麗な箇所を選定し、無垢フローリング材として形成しなくてはならない為、高価になる傾向にあります。

また複合フローリングの中でも挽板材(板厚2-4mm)にて形成されている挽板(ひきいた)フローリング一枚板の無垢材を張り合わせている為市場相場的には高価な傾向にあります。但し一枚板とは言え乱尺(らんじゃく)と呼称される長さが短い床材の規格に関しては製造の工程にてユニ同様の過程となる為やや安価になります。規格面からの見解として継いでいる継いでいないは価格に影響する要素の一つといえるでしょう。

市場相場の観点から

市場相場の観点から

ではフローリングの市場相場の観点から考えると無垢フローリングは高いのでしょうか?シートフロアやフロアタイルなど大量生産ができかつ工業製品に該当する商品は価格や規格の変更が環境資源である木材と比較すると安易になることは間違いないでしょう。

◆参照)木質フローリングタイプ別の価格と木質感のイメージ図

木質フローリングタイプ別の価格と木質感のイメージ図

木質フローリングの市場(無垢フローリングと複合フローリング)のみ価格の傾向にフォーカスするとどうでしょうか?①市場にて飽和している木の種類や規格面、②長らくトレンドに入り続けている樹種や規格、③ブラックウォールナットやローズウッドなど銘木かつ有機資源でありながら計画的に伐採されている無垢材など3つのセクターに分けてカテゴライズするなれば価格の範囲が広く安価な木質フローリングもあれば高価な木質フローリングもあるといった結果になります。

さらに分解していくと複合フローリングに関しては既述した通り長めの単板を張る挽板フローリング生活の用途を追求した(床暖房・施工しやすい・防音性能)など規格を加味した突板フローリングなどは高価になる傾向にあります。

無垢フローリングに至っては市場的に国産材の代名詞でもあり、針葉樹林として名が知られている杉や檜などは安価な傾向にあり(※ブランド化していない樹木を除く)長らく日本に輸入されているサクラやアカシアやチェストナットなどは規格によってやや安価傾向、持続的なトレンドに加え相場が崩れにくいオークなどは中程度の価格、世界的に銘木として知られているウォールナットやチークなどは高価格帯に位置するなど飽和性、世界的需要と歴史的背景を踏まえたブランディングされているか否かが重要なポイントと言えるでしょう。

グレーディング(等級)

グレーディング

最後に価格が決まる要素としてグレーディングが挙げられます。web上やカタログを見られたことがある方は一見ご存知かと思いますが一見何を指しているのか分かりにくい木材用語の一つかと思います、木質フローリング材として形成する際原材料を選定する段階で節や白太の有無、色味などによって選別を行います。選別基準のことをグレーディングと呼称されます。

上図の通り節や色ムラのギャップが少なくなるほど高価になり、節や色ムラが多くなる程安価な傾向になります。これまでの解説の通り無垢フローリング、複合フローリング双方とも規格面と樹種、グレーディングの3つの要素により価格が決まることで市場となっております。

    「同じ木材のフローリング、見た目は一緒?」

  • 無垢フローリングと複合フローリングを比較するとビジュアルに関して分かりづらいご意見を多々頂きます。しかしながら冒頭に申し上げた通り、継いでいるのか継いでいないのかで同じ木質フローリングでも見分けが付くケースがございます。ユニなのか?一枚ものなのかまたは303mm×1,818mmの1ユニットなのかで無垢フローリングなのか突板フローリングなのか?挽板フローリングなのか分かります。

3.汚れやダメージがつきやすいのはどっち

次に傷やへこみなどダメージの付きやすさに関して考えて参りたいと思います。比較するにあたってA:シートフロアーと突板フローリングの木質感が少ないカテゴリー、木質感を感じるB:挽板フローリングと無垢フローリングのカテゴリーの2種類にて比較していきましょう。

A:シートフロアー・突板フローリング

シートフロアー・突板フローリング

シートフロアーはプリントのシート、突板フローリングは0.2mm〜1mmの薄めの板基材に張り合わせて加工したフローリングです。双方とも表層材が非常に薄い為保護力が非常に強い塗装が施されております、床張り施工した当初に関してはシートフロアーや突板フローリングのカテゴリーが強固だと言えるでしょう。

しかしながら長い目で見た際物が落下した、家具材などを引きずったなど施工当初は頑丈なものの経年した際表層のコーティングが摩耗した際、適切なメンテナンスを行わないと表層材が捲れ基材が出てしまう結果に、張替えを10-15年単位で検討しなくてはならないなどケアが必要でございます。部分的な補修を行う際も既存床材と同一の品番のものが無い、新たなラインナップの床材とあうのかどうかなどご検討頂く必要がございます。

B:無垢フローリング・挽板フローリング

無垢フローリング・挽板フローリング

では無垢フローリングや挽板フローリングは傷がつきやすいのでしょうか。シートフロアーや突板フローリングと比較すると答えは塗装によりけりですがダメージが付きやすい部類とされております。

ウレタン塗装など塗膜が厚い塗装を施していれば水気やダメージに対して保護する成分なので頑丈だと言えます。しかしながら浸透性オイル塗装の木質フローリングですと強靭な塗膜が無い為重いものが落下してしまったり、家具類を引きずるとどうしてもダメージが付きやすい為、ケアして頂く必要があるでしょう。

無垢フローリングは単層版といって外身も中身も無垢材で形成している為ダメージが付くとサンディング(表層を削る)することによって傷を消すことが出来ます。挽板も同様に厚み(2-4mm)の無垢材を張り合わせている為2-4mmまではサンディングで傷やシミなど消すことが出来ます。

4.各種フローリングの耐用年数

上記にてちらっと解説致しましたが木質フローリングの中でも無垢や挽板フローリングに関しては、適切なケアが出来れば長持ちする木質フローリングとして知られ、突板フローリングやシートフロアも同様きちんとしたケアを行えば綺麗により長く親しみのあるフローリングとしてお住まいを支えることになるでしょう。

しかしながら一般的に耐用年数といっておそらくこれぐらいの期間は不都合なく生活できる期間がございます、各種フローリングのおおよその耐用年数に関して解説していきましょう。

シートフロアー

シートフロアー

注釈として各種フローリング全てによりますがお住まいの環境や生活スタイルや物件の分類によって結果は十二分に変わってきます。あくまで目安としてご一読頂ければ幸いでございます。
先ずシートフロアーの耐用年数は5-10年程と言われております、安易に施工することができ普及品も多い分、シートフロアー自体のダメージ、損傷した箇所が広がってしまうと部分的に修復するよりも張り替えた方が速いといった結果になりやすいのがシートフロアーとも言われております。

反面取り扱い品目の多さやデザイン・価格幅が大きい分張り替えやすい、選びやすいといったメリットとして捉えることも出来ますが張り替えるスパンが多いと良い気持ちにはなりません。
お住まいの床面を見たら良いのか適材適所有るかと思います、メリットデメリット加味しつつ吟味されることをお勧めしております。

突板フローリング・挽板フローリング

突板フローリング・挽板フローリング

いわゆる複合フローリングの一般的な耐用年数は10-20年程といわれております。というのも2点の共通している規格が基材に表層材を張り合わせている仕様であり、張り合わせた箇所が剥がれてしまうリスクをとってか10年から20年程といったご案内が多いものとお見受けします。

しかしながら近年の複合フローリングに至っては損傷個所によってケア出来るメンテナンス商品や塗膜が剥がれた際のメンテナンス商品のラインナップが従来より充実していることから、今後耐用年数は上がるのでは?と建築家界隈では話題になっております。

フローリングのシェアにおいては非常に高い割合を占める複合フローリング、今後の動向に注視でございます。

無垢フローリング

無垢フローリング

最後に無垢フローリングの耐用年数に関してですが適切なメンテナンスを行えば30年以上と言われております。理由は無垢フローリングの構造自体がシンプル、またオイル塗装であればお施主様自らケアを行えることから耐用年数が長いとされております。

ただ適切なケアは勿論のこと無垢材なのでお住まいの湿度管理(空気の入れ替え)は重要であり、自然素材の為お施主様のご理解が必要とされるフローリングでもございます。

施工費用など初期費用が各種フローリングの中でも非常に高い部類とされておりますが、長い目で見ると無垢フローリングが一番耐用年数が長い結果となりました。各種フローリングに言えることですが生活環境を充分ケアしたのちの耐用年数でございます、どの内装資材でもお時間かけて選定された努力の結晶なので十分労わって長い人生、理想のお住まいとともに歩んでいきましょう。

5.各種フローリングにてケアして頂きたい点

最後に今回は無垢フローリングと複合フローリングを比較し日頃ご相談頂く内容をキャッチアップしまとめていきましたが、いずれもケアして頂きたい点は一緒だとお施主さまにご案内させて頂いております。
具体的にどういった話題になるのか?よくご相談頂く内容と併せていきたいと思います。

水回りのフローリング選定に関して

水回りのフローリング選定に関して

お施主様とご自宅の各エリアに基づいて最適なフローリングはどういったものなのか?図面をみつつご案内するケースがございます。中でも水回りのフローリング問題は非常にご意見が分かれ、そもそも無垢や複合フローリングでは無くフロアタイルにする方もいらっしゃれば、リビングと一緒の無垢フローリングにするなど日々お施主様やコーディネーターさまとディスカッションをするケースが多いものです。

極論ですがわたくしがご案内するなれば水気・湿気が滞留しやすい構造であればあまりお勧めはしておりません、無垢でも複合でも湿気の影響を多大であり木材にとってリスクが大きい環境だと言えます。開口が無い洗面所や、換気機能が著しく少ない水回りは要注意の箇所でございます。

オイル塗装フローリングの水拭きに関して

オイル塗装フローリングの水拭きに関して

オイル塗装の無垢や挽板フローリングのお手入れ方法に関して都度ご連絡頂く機会が多く、中でも水拭きして良いのかご相談頂きます。

弊社WebサイトにてSNSにてご紹介しておりますがオイル塗装の無垢フローリングでも水拭きをして頂いてOKでございます。但し雑巾を固く絞り水気を取り除いたのち拭き掃除をしましょう、水気が多いと表層や隙間に水分が滞留してしまい思わぬリスクになる可能性が考えられますので水拭き後拭き掃除を行って頂くと心配ございません。

また水拭きや乾拭きし経年していくと無垢フローリング表層が摩耗してきますので、メンテナンスワックスを定期的に塗布するなどし適切なメンテナンスも重要なポイントの一つとなります。

床暖房対応複合フローリングのメンテナンスに関して

秋口に差し掛かるとご相談頂くケースが多いのですが、床暖房使用し経年した際どのタイミングでメンテナンスワックスを使用したら良いかどうか。無論冬場床暖部を使用する頻度が多い為熱源が特に当たっている箇所は乾燥しやすく、お部屋の四隅は乾燥していないなどムラがある点がお施主様を悩ます要因となっております。

各メーカーメンテナンスワックスの仕様通りとなりますが、主に乾燥している箇所にスポット的にメンテナンスワックスを塗布して頂くのが一番良いかと思います。床暖房のエリア全て行う必要が長くご自宅を開ける際など気になる箇所一遍に行うのがベターです。

6.まとめ

如何でしたでしょうか、無垢フローリングと複合フローリングを比較した結果ご自宅の用途や生活導線に併せて適材適所にといった記事でございました。新築でもリノベーションでもフローリングは張り替えたくてもカジュアルに張り替えられる箇所で無く、ラインナップも各社非常に多い為熟考される方も多く、施工後もどのようにケアしていかなくてはならないのかご相談を頂きます。

選んでよかった、最初よく理解できなかったけど住まいの作り方の参考になったなど納得出来るフローリング選びの参考になればと思います。
無垢フローリング専門通販キャスオンラインではご自身の理想の住まい、暮らし、数十年後などなど長い目で見て納得する選定を日々後押しさせていただいております。カットサンプルは3枚まで無料にて全国発送しております。下記バナーにて弊社ラインナップを掲載しておりますのでお気になさった方は是非御覧ください。

  • 無垢と複合フローリング最大の違いは寸法安定性・床暖房対応の可否・板幅が狭い・広い
  • ・木質フローリングの価格=「木の種類」×「グレーディング」×「規格」
  • ・木質度合いが高くなる程キズがつきやすい
  • ・無垢フローリングは耐用年数が長い

◆無垢フローリング一覧ページより下記バナーをクリック

ページトップへ

   無垢フローリング床材専門店 キャスオンライン All rights reserved