無垢フローリング張り方の種類に関して【無垢床Q&A】

無垢フローリング ヘリンボーン

無垢床Q&Aシリーズ第二弾は無垢フローリングの張り方の種類に関して。主にお施主様よりお問合せ頂く内容でありショールームで雑誌やwebの施工事例イメージを持って来て頂いた際、実際に同様のイメージで張れるか?ロスはどのくらい出るかなどご相談頂く機会が多く無垢フローリングを選定する上でワンランクお洒落な内装デザインに関心を抱く方向けの内容でございます。内装材の中でも大きな面積を占める床面は素材感や色調、意匠面など居住空間であれば印象を決定づける重要な要素の一つでございます。当サイトでは木の種類や用途や価格など無垢フローリングの規格に近い内容でご紹介させて頂いておりますが今回は無垢フローリングのお洒落な張り方の種類にフォーカスを当て解説していきます。

1.無垢フローリングの一般的な張り方

無垢フローリングの張り方の種類をご紹介する前にオーソドックスな張り方や流れをご紹介させて頂きます。

フローリングを張る際の向き

無垢フローリングの張る方向イメージ
無垢フローリング 長手方向施工事例

無垢フローリングを床張りする際居室内の長手方向から張っていきます。視覚的に空間が広く見える作用が有る為、無垢フローリングでなくてもフローリング材全般長手から張る傾向にあります。そもそも長手方向とは、長方形の距離の長い方向を示す用語であり、 短い方向を、短手方向といいます。

フローリングの張り始め

無垢フローリング 施工している様子

フローリングを長手方向に並べていく際どの箇所から張り始めて良いのか?日々現場では実際に床張りする広さや人数によって工夫しているのが現状です。しかしながら基本的に長方形の空間があった場合右上壁際から並べていきます、ネイラーとボンドで固定する際一列目のフローリング材が動かぬようしっかり目に固定(ビスやネイルのピッチを狭くする)し張り込みを行います。

フローリングを壁側・中心から並べる方法

フローリングを壁側から施工方法
フローリングを中心から施工方法

フローリングを壁際から並べる際左図のように1列目右上から下方向に張り込みを行います、フローリングの張るパターンにもよりますが2枚目以降適切な長さにカットし床張りしていきます。右図は空間の中心から張りはじめを行う際の並べ方であり、大工さんが2名以上・スピード感を求められる現場にて床の張り込みを行う際中心から張るケースが多く弊社ではワークショップなど行う際に参加者の方々に一人でも多く床張り体験できるよう中心から張り込みを行います。

2.フローリングごとの張り方の種類

先ずフローリングの基本的な張り方に関して解説致しました、では本題の無垢フローリングのお洒落な張り方をご紹介していきたいと思います。張り方のバリエーションに対しての背景やデザイン面など併せて解説致します。

定尺張り

フローリング 定尺張り

定尺張りとはその名の通り一定の尺(長さ)で張り込み方法で日本では最もスタンダードな張り方と言われ、定尺のフローリング材を長手方向に一定にずらし短手方向に対して平行・垂直に床張りしていきます。定尺張りの中でもフローリング材をずらすスパンで名称が異なり長さが半分の寸法をずらしながら床張りする際は、「レンガ張り(れんがばり)」と呼ばれ、長さに応じて「1尺ずらし」「3尺ずらし」など寸法に応じて呼称されます。また地域によって定尺張りを「りゃんこ(両個)張り」と呼称されることも有り「りゃんこ(両個)」とは建築用語で交互という意味で規則的に交互にずらし目がくることから古くから床張りを行う工法として使われてきました。定尺張りはデザイン面として規則的に継ぎ目を揃える為整然かつ床面を主張しすぎない印象を与えることができます、しかしフローリング材を切り捨てる部分が出る為発注の際材料のロス分を5-10%程度加味しなくてはいけない為㎡数+5-10%必要とご認識が必要です。

乱尺張り

フローリング 乱尺張り

乱尺張りは様々な長さの板を床張りしていく施工方法で無垢フローリングを張り込む際近年トレンドになりつつある施工方法です、youtubeなど動画サイトにてDIYを行ってる紹介動画等見ると乱尺張りが多くカジュアルに無垢フローリングを張り込む際にご紹介されており定尺張りのように長さを見極めながら張り込む必要が無く、同じ長さの板が横並びにならなければ自然なニュアンスを出せます。デザイン面において板ごとのキャラクターを沢山表現したい際に重宝される方法であり、メリットとしてロスが少なくてすむためセルフリノベーションなど行う際はお勧めの床張り方法でございます。

斜め張り

フローリング 斜め張り

斜め張りは壁面に対してフローリング材を斜めに張り込む方法であり、空間内において部屋ごとにイメージを変える際、床面でリズムをつけたい際にはうってつけの施工方法です。台形や三角形の特殊な間取りや廊下部など狭い場所に斜め張りを採用することで視覚的に奥行きを出すことが出来ますがデメリットとして定尺張りよりフローリング材を切り捨てる為ロスが多くなります。居住空間において張り分け(部屋ごとに床面を変える)をする際などは効果的な演出になるのでデザイン面においてはお施主様のご要望として人気の張り方です。(博多ショールーム調べ)

寄木張り(よせぎばり)

寄木張りとは木材のピースを組み合わせて、一定のデザインパターンに張り上げたフローリングのデザインを指します。Parquet:フランス語でパルケ、英語だとパーケットと呼称され日本だと聞き馴染みのある言葉で「寄木細工」などクラシカルな雰囲気を出したい際に床面で一風変わった印象を与えることが出来ます。寄木張りの中でも代表的な2種類の張り方をご紹介致します。

ヘリンボーン張り・網代張り

フローリング 網代張り・ヘリンボーン張り

「へリン」は魚のニシンの呼称され「ボーン」は骨、あわせて「ヘリンボーン」、魚の背骨をイメージさせる形が由来とされており同じ寸法の板の両端を直角に切り、短辺と長辺を交互に突き合わせハの字状に連続したデザインを指します。日本ではヘリンボーンのデザインに似た柄があり「網代張り」、弓矢の矢羽のようなを「矢羽」など近しい柄を竹で編んだカゴや和室の天井などで見かけることもございます。さらにヘリンボーン張りの中でもパターンが有りフローリング材の端を45度にカットし組んでいくフレンチヘリンボーン、2枚のフローリングを1setと見立て組んでいくダブルヘリンボーン、3枚のフローリングを1setと見立て組んでいくトリプルヘリンボーンなど数々のパターンがございます。デメリットとして施工するにあたり難易度が高く、時間がかかる為施工費が高く、フローリング材の使いまわしが出来ない為資材費用も高価になります。

市松(いちまつ)張り

フローリング 市松張り

市松張りとは同じ長さの無垢材を組み正方形として見立て正方形を交互に配した張り方でございます、正方形の中いろんな図形を組み合わせていく為多様なパターンが多く存在し組み合わせ方によって様々な名称があります。施工の際無垢フローリングを直接切り出すと材料ロスや人工の問題から施工費用が高くなる傾向に有る為パーケットフロアと呼ばれる予め303×303サイズ1セットの床材が世にでておりカジュアルに床張り出来るようになっております。ヘリンボーン同様クラシカルな床面を表現する際に重宝される張り方でございます。

フローリングごとの張り方の種類をご紹介させて頂きました、他にも様々な張り方ございますが5種解説致しました。張り方にもいろんな特性やデザイン性が有る為空間の魅力を見出す際にご検討されるもの良いのではないでしょうか、次項ではフローリングの張り方を変えるメリット・デメリットに関してご紹介させて頂きます。同じ無垢フローリング材でも板一枚ごとの個性や空間をコーディネートする際の豆知識を解説致します。

3.フローリングの張り方を変えるメリット・デメリット

無垢フローリングを床張りする際幾多のパターンがあることを念頭においてそもそも何故フローリングの張り方を変えるのか、メリット・デメリットにフォーカスを当て解説していきます。

張り方を変えるデメリット

フローリング材・施工コストが高価

ネガティブ ヘリンボーンフローリング

デメリットと表演すると解説した手前かなりネガティブになりますが、第一に挙げられるのがコスト面でございます。
コスト面の中にはフローリング材・施工費を含んだ価格を指しパーケットフロアなど既に無垢フローリング材ユニットとなってが簡単に施工できる床材を除き、特にヘリンボーンフローリングは価格が高く施工する際現場に入る大工さんの人数にもよりますが工期がかかり床張りコストが高価になります。又床張りし10-20年後万が一ヘリンボーンフローリングをリペアや張替えする際もコストがかかるという認識を頭の片隅に置く必要がございます。

フローリング材のロスが多い

継ぎに挙げられるのが斜め張りや寄木張りを行う際フローリング材のロスが多くなる点でございます、張り方の種類をご紹介した際少々解説致しましたが無垢フローリングの場合無垢板を切り使いし床張りしていきます、カットした箇所は使える部分、使えない部分がおのずと出て来る為材料ロスと呼称されており定尺張りなど通常の床張り方法でも5-10%多めにご発注をお願いしているのですが張り方によっては15-20%程余分に発注しなくてはといった状況になります。ロスが多いとコストも余分に想定しなくてはなりません。

床面に柄を入れると壁面やインテリアに柄物の選択肢が制限される

最後に設計や内装を手掛けられるお客様談なのですが床面にパターンを入れるとクロスやタイルなどの柄物の選択肢が少なくなるといった点です、無論圧倒的にシンプルにすれば良いといった解決方法があるのですが装飾などこだわりの内装材を入れる際によくお施主様と悩むポイントになりえるといったご相談が稀にあります。内装トレンドや個人の見解にもよりますが居住空間をコーディネートする際慎重に選定していきましょう。

張り方を変えるメリット

アクティブ パーケットフローリング

フローリングの張り方のデメリットに関して挙げましたが主にコスト面に関して解説致しました、ネガティブな点もありますが勿論メリットもあります。

床面から空間内の個性を主張することが出来る

クロスやタイルなど壁面に関する内装材に関しては色味や質感、柄などカジュアルに楽しむことが出来ます。しかしながら高級感を演出したい、レトロな雰囲気やヴィンテージな空間を形成するにあたっては個性的な床張り方法を選定することでお好みの空間イメージの近道になります。無垢フローリングの特性(調湿・木質間・経年変化etc)+意匠面を追求することでよりお洒落な居室を再現することが最大のメリットといえます。

張り分けをする際居室ごとの印象やコンセプトを変える

全て同じ無垢フローリング、同様の張り方全く問題ございません。しかしながらご予算の関係上リビングには幅広の床材を、子供部屋、寝室などは一目につかないのでリビングとは異なる巾や違う樹種、また安価な床材を張り分けするといった選択肢もあります。弊社ショールームのお施主様の中には自宅内の書斎(テレワークスペース)を斜め張りしたい、LDKのみクラシックなインテリアが多いのでヘリンボーンにしたい、子供部屋はポップな雰囲気を演出したいのでパイン材にしたいなどお部屋ごとにコンセプトがあることで生活の導線をイメージすることでリズムを生み個性を引き出すことが出来ます。

4.無垢フローリングのお洒落な張り方まとめ

無垢床Q&Aシリーズ第二弾無垢フローリングのお洒落な張り方に関して解説させて頂きました、コストや施工面では不利と言えますが一方で空間をコーディネートするアイデアとしては張り方を変えることでより無垢フローリングのキャラクターや空間の魅力を引き出すことが出来ます。今後無垢フローリングを検討される方々のアイデアの参考になればと思います。次回無垢床Q&Aシリーズはショールームにご来場頂くお客様よりよくご相談頂く無垢フローリングの規格ユニとは?に関して、無垢フローリングと併せて挽板フローリングと併せて規格や価格の推移等ご紹介していきたいと思います。

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