マホガニー材の魅力や特徴を歴史的背景から読み解く
2024.05.28
マホガニー(Mahogany)材はセンダン科マホガニー属に分類されるキューバン・マホガニー、ホンジュラス・マホガニー、メキシカン・マホガニーの3種の総称でございます。古来より家具や楽器、内装材に使用されてきた背景が有り高級木材の一角として世界的に長らく評価されている樹種です。
現在乱獲や過剰供給を防止する為、※ワシントン条約(CITES)によって天然木の取引が制限されておりマホガニーの原木、製材品などを輸入・輸出する際には、合法的に伐採されたものであるという生産者の証明書類が求められるなど厳しく制限されています。
今回は希少性が高く世界的に名を馳せ続けるマホガニーに関して無垢フローリング専門通販キャスオンライン冨島が魅力や背景などご紹介していきましょう。
1.世界的銘木マホガニーについて
マホガニーはチークやウォールナットなど世界三大銘木の一つとして知られ、木材自体の美しさや堅牢性、加工性が高いことから高級家具や楽器、内装材として使われてきました。ウォールナット(くるみ)やチーク(teak)は樹木の名称を指しますがマホガニーは原産地ホンジュラス現地の言葉で「黄金」と呼称されます。
1720-1770年ごろヨーロッパの王侯貴族などの富裕層向けに家具や調度品など作られてきた背景があることから富の象徴として当時から高く評価されてきた樹種でございます。自生したマホガニーの原木が市場に流れにくいことから現代においてのマホガニーはアフリカやインドネシアをはじめ東南アジア諸国にて計画的に植林したマホガニーが流通しております。
2.マホガニー材の特徴
マホガニー材の特徴を先ず挙げるとするならば、上品な色調といえるでしょう。辺材は灰白色~黄白色、心材は赤褐色であり「リボン杢(もく)」と呼ばれる木目も視覚にて確認出来る特徴の一つで、光の当たり加減で縞(しま)模様が輝いて見える点もマホガニー材の魅力と言えるでしょう。
※心材・辺材(しんざい・へんざい)・・・心材は丸太の中央部を指し心材の周囲を辺材と呼称される。
マホガニー材の経年変化も特徴の一つであり、時間の経過とともに酸化や紫外線の影響からより深い赤褐色になっていきます。全体的に見ると淡い箇所も経年変化により、色調が均一になっていく姿も長らく重宝された理由の一つと言えるのではないでしょうか。
マホガニー材は電動工具と相性が良く加工性能が良好であり、乾燥による狂いが少ないことから代表的な木材加工製品が多く床材・パネリング(壁・天井材)や建具など内装部材から、家具や楽器などに使われてきた背景がございます。さらにオイルステインや自然塗料など塗料・仕上げ剤との適正も高く、仕上がりが均一になりやすい樹種の一つです。
3.マホガニー羽目板
無垢フローリング専門通販キャスオンラインでは、マホガニー材の商品を壁材・天井材にてご利用頂けるマホガニー羽目板を4商品ご用意しております。また弊社商品3種まで無料にてカットサンプル送付しておりますので商品詳細ご確認後お気軽にお問い合わせください。具体的な規格や仕様と併せてマホガニー羽目板に関して解説していきましょう。
HP-5030 マホガニー無垢羽目板[10ミリ厚90ミリ幅長さ1800ミリ/無塗装]
弊社マホガニー羽目板は天井材やパネリング(壁材)のカテゴリーでは人気商品であり、キッチン上や軒天など部分的な箇所に施工するもよし、ダイニングやホールなど空間印象付ける内装材の一つとしてご利用頂いております。意匠面は勿論のこと、価格帯において6,346 円(税込)/㎡と最適な価格で設定させて頂いております。
HP-5031 マホガニー無垢羽目板[10ミリ厚90ミリ幅長さ2100ミリ/無塗装]
上記Hp-5030との大きな違いは長さと実際の梱包平米数、上記HP-5031は長さは2,100mm仕様であり入り数が1.89m2となっております。入り数や張り手間の関係からオンラインでは2,100mmの方が人気傾向です、価格は6,490 円/㎡(税込)でございます。
HP-5032 マホガニー無垢羽目板[10ミリ厚90ミリ幅長さ1800ミリ/スリット加工/オイル塗装]
続いてご紹介する羽目板がスリット加工と呼ばれる、板材表層に溝をつけた加工の商品でございます。スリット加工を施すことにより、狭幅の板材にて仕上げたビジュアルになることで無垢材のキャラクターが全面に出ず現代的な内装資材を用いた意匠になります。価格は6,740 円/㎡(税込)とプレーンの状態から400円程㎡単価が上がりますが、他と被らない壁面や天井面のイメージをご検討の方にお勧めの羽目板でございます。
HP-5033 マホガニー無垢羽目板[10ミリ厚90ミリ幅長さ2100ミリ/スリット加工/オイル塗装]
最後にご紹介するマホガニーの羽目板が上記スリット加工を施した2,100mmの長さのマホガニー羽目板となります。長さ・入り数以外の規格はスリット加工など同様でございます、スリット加工のマホガニー羽目板はオスモオイル塗装艶消しを標準規格として採用しております。現場で塗装不要な点はメリットの一つとして言えるでしょう。価格は6,839 円/㎡(税込)の入り数1,89㎡となっております。
4.レッドシダーとマホガニーの違い
昨今米国の内装資材の過剰需要や世界的な運送インフラの問題で天井材や壁材にてシェアを誇っていたウエスタンレッドシダーは、一時日本に入って来る数量が極端に少なく供給が安定しにくい材と認識されておりました。供給が安定しないと価格の高騰が進み、内装の現場では中々お目にかかれない材となってしまいます。
そこで代替品とは恐れ多いのですがマホガニー材の羽目板が徐々に認知され価格帯の差異もあることから人気がございます。レッドシダーとマホガニーの大きな違いは下記3点が先ず挙げられるでしょう。
- ①色の差異とコントラスト
- ②経年変化具合
- ③堅牢性が高くやや重量がある
具体的にウエスタンレッドシダーとマホガニーがどのように違うのか上記を踏まえ解説していきます。
①色の差異とコントラスト
ウエスタンレッドシダーの色調や天井に張った際の印象として挙げられる点が色彩のコントラストのバリエーションが非常に多い点が挙げられるでしょう。白褐色~淡茶褐色から赤味が入った茶褐色、赤褐色など表現豊かなイメージが温かみとなり、自然の産物として謳われます。併せて杢目の細やかさが優しさややすらぎ、落ち着きなどを象徴とする材として長らく人気を博しております。
対してマホガニーの色調はどういった印象なのでしょうか。白色~茶褐色~赤褐色と施工した当初はレッドシダーと遜色が無いのですが次第に赤褐色よりのコントラスト寄りの風合いを演出してくれます。冒頭に申し上げたリボン杢も浮き出て視覚でも良く見ると確認することができ、淡濃が混ざり合い繊細なストライプ模様が美しく印象的です。塗装を施すとさらに鮮明にリボン杢をご確認頂けます。
②経年変化具合
ウエスタンレッドシダーは経年した際飴色に変化していく樹種としてメジャーでございます。飴色といってもイメージが湧かないですがレッドシダー表層淡い箇所や濃ゆい箇所も次第に色が濃ゆくなっていきます。色調が濃ゆくなってくる程天井面や壁面全体的な色調がまとまり均一になっていきます。
マホガニー材は経年した際赤褐色寄りのコントラストに変化していきます。明確に言語化すると赤茶色から赤褐色と表現したら良いでしょうか、特筆すべきは経年変化する速度が速く1-2年程で均一な色調になっていきます。具体邸に内観のイメージや施工当初、数か月後など変化具合を確認しやすい点はマホガニー材は故の魅力の一つと言えるでしょう。
③堅牢性が高くやや重量がある
ウエスタンレッドシダーは比重がやや軽軟であることで知られ、加工性能が非常に高い性質を持ちます。同時に針葉樹にカテゴライズされる為柔らかく、耐衝撃性や防キズ性が低く壁面に施工した際少々ケアして頂く必要がございます。天井面に張った際日々生活していく上で傷付くことはないですが、堅牢性(硬さ)は低い材とご認識頂ければと思います。
マホガニー材はウエスタンレッドシダーと比較すると堅牢性が高いです、単純に広葉樹と針葉樹の差ですが広葉樹の中ではやや柔らかく加工性が高い材として認知されております。双方とも羽目板にすると分かりずらいのですが羽目板以外の木材製品で比較すると明らかです。
5.世界三大銘木チーク・ウォールナット・マホガニーとは?
世界三大銘木と呼ばれるチーク・ウォールナット・マホガニー、そもそも何故三大銘木と呼ばれるようになったのでしょうか?以前より気になっていた為あらゆる文献を読み漁りましたが明確の定義を発見することが出来ませんでした。では銘木とはどのような定義なのでしょうか、現代の日本においての銘木の定義に関して言及している記述を発見しました。
- 1.材面の鑑賞価値の極めて高い
- 2.材の形状が非常に大きい
- 3.材の形状が極めてまれなもの
- 4.材質がとくに優れているもの
- 5.類まれな高齢材etc
出典:公益財団法人 日本住宅・木材技術センター
他にもカジュアルにお伝えすると入手がかなり困難、レア度が高い、由緒ある木などございますが、世界三大銘木の定義というよりは歴史と併せて振り返りつつ銘木になった事象と併せて考察していくことにしました。
チークの歴史
チーク材の歴史は非常に古く、2000年以上前よりローマ帝国がチーク材をインドから送り、船の材料としていた歴史が有名です。チーク材は堅牢性が高くシロアリなどの害虫にも強い木材として知られます。造船を行う上で最適な木材と認知されその後1850年代イギリスより植民地化されていたビルマよりビルマチークを運ぶなどチークの需要は続き第二次世界大戦中期まで、世界の商社より目を向けられてきたそうです。
その後本チークと呼ばれるビルマチークは乱獲や過剰供給の影響により輸出規制を強いられ、主にアジア諸国植林を行い計画的であり持続的なネシアチーク普及を進める格好となりました。チークの歴史を振り返ると非常に木材自体の性能が商業化に適したスペックだった為植民地・侵略・各国間で優秀な有機的財源だったことは間違え有りません。古くから過剰に需要が増え国交感の争いが絶えなかった銘木の一つで有ると言えるでしょう。
ウォールナットの歴史
ブラックウォールナットは16世紀後半~17世紀初期ごろからヨーロッパにて徐々に普及されてきたと言われております。今でこそ北米産のウォールナットが主流ですが以前はヨーロッパが主な産地であり、現代まで語り継がれる堅牢性や漆黒のデザインは当時フランス・イタリアで主に家具などに使われてきた文献がございました。17世紀中頃木材の加工技術の発展に伴い、今でいうところの挽板や刻印など細工が安易に出来るようになった為幅広く普及した材として知られております。
木材加工を施す際曲げたり、切断したり、造形を施したりと今では全て簡単に出来る印象ですが当時はより最適な材を全世界が探していた背景がありオーク材の時代がありウォールナット、マホガニーと時代によって需要やデザインに応じて樹種も時代を担う流れとなっております。現代も尚需要が続いておりますが爆発的な一時代を支えた材としてウォールナットは銘木と言えるでしょう。
マホガニーの歴史
マホガニーはウォールナットがトレンドとなったのち18世紀以降より過剰な供給が非常に進んだ銘木と言われております。18世紀初め1708年の後半から1709年前半西ヨーロッパでは急激な大寒波を受けウォールナット材が激減したことから徐々に代替品としてマホガニーが使われてきた背景がございます。
オークやウォールナットに比べ、アーチや刻印など繊細なデザインが再現しやすいマホガニー材は木工職人や建築に携わる技術者に好まれマホガニー材の家具や楽器など木材加工品が浸透しますが過剰に供給した影響から徐々にマホガニーの時代も陰りを見せます。現在ではチーク同様東南アジア諸国で植林が行われ、再生可能でありながら計画的な伐採や加工を行っている模様です。
6.まとめ
世界三大銘木は世界的需要にある意味適応し、今も尚世界を超えて加工され続ける良質かつ土地土地に適合している材なのではないでしょうか。時の経過と共にトレンドの増減はどのカルチャーでもございますが時代を超え今も尚使いたいと言われる背景には歴史があります。
マホガニー材は過剰な需要に一時期耐え続けましたが、枯渇した銘木の一つとなってしましました。しかしながら銘木を残存させる活動を行い、土地土地を超えて持続が出来る材として産業の変化と共に復活を遂げております。人類が何百~何千とあらゆる樹種を生活に落とし込めるよう試したか不明確ですが、世界三大銘木をはじめマホガニー材が残存した理由も美しさや材自体のスペックが非常に高かったことから今も尚語り継がれているのではないでしょうか。
無垢フローリング専門通販キャスオンラインではご検討希望の際弊社商品3種まで無料にて全国発送しております。以下よりフローリング一覧(床材ラインナップ)を掲載しておりますので気になる床材がございましたら是非カットサンプルをお手に取って頂き質感や色味等ご確認下さい。
◆無垢フローリング一覧ページより下記バナーをクリック