無垢フローリングを樹種ごとの比重で比較!硬さとの関係とは?

無垢フローリング サンプル

無垢材は、一般的に傷がつきやすいと考えられています。ただし、無垢材は樹種によって比重や硬さが大きく異なります。無垢材の樹種ごとの比重と表面の硬さは必ずしも一致するわけではありませんが、ほとんどの場合で相関関係にあります。参考に樹種ごとの比重を調べ硬さとの関係性を今回掘り下げていき、最適な無垢フローリングを探っていきたいと思います。

今回は、堅牢性いわば「硬さ」にフォーカスを当てフローリング専門通販「キャスオンライン」の冨島が解説してきます。

無垢フローリング材の木材比重比較一覧

まずは、以下の無垢フローリング材の比較比重一覧をご覧ください。弊社で取り扱っている無垢材の実物サンプルで品目ごとに3枚~6枚程度を検査して比重を算出しています。無垢材の場合では、同じ樹種でも比重が必ずしも同一になることはありませんが樹種ごとの比重を目安として参照ください。

※水の比重=1としてイメージして参考にしてみてください。

木材比重比較一覧

樹種名 広葉樹/針葉樹 比重 比重の目安
オーク 広葉樹 0.69~0.76 重い
ウォールナット 広葉樹 0.65~0.68 重い
ゴム 広葉樹 0.65~0.69 重い
チーク 広葉樹 0.55~0.64 中程度
西南桜(カバ) 広葉樹 0.54~0.67 中程度
東北樺(カバ) 広葉樹 0.58~0.62 中程度
広葉樹 0.54~0.62 中程度
アカシア 広葉樹 0.56~0.60 中程度
タモ 広葉樹 0.55~0.59 中程度
ボルドーパイン(松) 針葉樹 0.50~0.58 中程度
針葉樹 0.36~0.39 軽い
針葉樹 0.41~0.46 軽い

※参考比重(金属)/鉄:7.9 金:19
※参考比重(木材)/ バルサ(最軽量木材):0.2前後 リグナムバイタ(最重量木材):1.3前後

上図の通り測定を行った際オーク・ウォールナット・ラバーウッドは比重が重たいデータを抽出出来ました。比重が重いが故に際フローリング材としてはどういった見解になるのでしょうか。次項より解説致します。

比重が重い樹種トップ3の解説

今回算出したフローリング材の比重ごとのリストから比重が重たい樹種を3品目ピックアップして解説したいと思います。商品を選定する際に参考にしてください。

オーク材

TOP1:オーク(ナラ)

原産地:中国・ロシア~ヨーロッパ
比重:0.69~0.76

オーク材フローリング一覧

オーク材は無垢フローリング材でも最も人気の樹種です。一般に流通している無垢フローリング材の中でも比重が重たい樹種と言えます。比重が重たく硬いので傷がつきにくいという意味でも人気の理由が納得できます。

ブラックウォールナット材

TOP2:ブラックウォールナット

原産地:北米大陸 主にアメリカ
比重:0.65~0.66

ウォールナット材フローリング一覧

北米産のブラックウォールナットは、高級材としてもよく知られています。重厚な見た目と同様に比重も重たくフローリング材としても人気の樹種です。高級材としての人気と比重の重さに納得の結果です。

ラバーウッド材

TOP3:ゴム/ラバーウッド

原産地:東南アジア 主にインドネシア
比重:0.65

ゴム材フローリング一覧

ゴムの木は、東南アジア原産の広葉樹です。樹液からゴムの原料となる樹液が取れる事でも知られています。意外と知られていないのですが、硬くて重たい比重の木材で傷に対する耐性も比較的高い樹種です。

無垢フローリングイメージ

同じ樹種の木材でも比重に違いが出る理由とは

同じ樹種の木材でも比重には必ず違いが出ます。もっと言うと一枚一枚のフローリングごとに比重には必ず違いが出ます。その理由については、以下のような理由が考えられています。

木材に含まれる水分量(含水率)には違いがあるから

含水率

無垢フローリングに使用される木材は、乾燥工程を経て製品として加工され製品化されます。乾燥工程の段階で木材の含水率を一定(15%)以下に抑えられます。ただし、中には10%以下になる物もあります。木材の含水率は比重の差にも当然出てくるので同じ樹種でも誤差が出ます。

芯材(赤味)や辺材(白太)によってそもそもの比重が違う

辺材 心材

一般的には同じ樹種でも芯材(赤味)は、油分を多く含み比重が重い。辺材(白太)は、樹木が成長する過程で必要な水分や栄養を枝葉に運ぶための導管に水分を多く含みますが、乾燥を経て芯材に比べ比重が軽くなることが一般的です。無垢材には芯材と辺材が混在しているのでピースごとに比重が違うので均一にはなりません。

産地や土壌の違いによっても木材の比重は変わる

土壌

同じ木材の種類でも苗木を違う土壌に植えるとその成長や材質には違いが出ます。一般的に水分や栄養が豊富な肥沃な土地で育つと成長が早く同じ年数でも大きく育ち、逆に厳しい環境では成長は遅くなります。その差は年輪や木材に含まれる油分などの違いが出て比重の差となります。

伐採時期によって含水率に差が出る

伐採

一般的には木材は春から夏にかけて新緑が芽吹き水分や栄養を多く必要とします。春~夏季に向けて伐採される木材は水分を多く含み重くなります。秋から冬にかけては、成長を抑制されるので水分量が減ります。木材は伐採される時期により含水率が変わるので重さが変わります。

広葉樹の比重が重く、針葉樹の比重が軽いのが一般的

木材は、上に大きく伸びる針葉樹と横に大きく葉を茂らせる広葉樹に大別されます。杉や桧に代表される針葉樹の比重は軽く、オークやウォールナットに代表される広葉樹は比重が重いのが一般的です。それぞれの比重が変わる要因や特徴は、以下のように考えられています。

比重が比較的軽い針葉樹の特徴

針葉樹

杉や桧などに代表される針葉樹は、広葉樹と比べ比較的に比重が軽い傾向にあります。構成する細胞間の密度が低く、その分水分や栄養を運び易いので比較的に成長が早い特徴があります。細胞間の密度が低いことにより乾燥すると空気を含みやすく寒さや熱さから私たちの体に与える温度変化をより小さくすごし易くしてくれます。

比重が比較的に重い広葉樹の特徴

広葉樹

オークやクルミ、栗などに代表される広葉樹は、針葉樹に比べ比較的に比重が重い傾向にあります。構成する細胞間の密度が高く、その分水分や栄養を運びにくく比較的に成長が遅い傾向にあります。細胞間の密度が高いため、比較的に硬く傷がつきにくいのですが針葉樹よりも足などで触れたときにひんやりした質感が特徴です。

比重が重い木材は硬い傾向にある

反面で比重が軽い木材は、柔らかく加工性に優れています。日本の住宅の構造に使用される構造用の木材の大半が杉や桧、松などの針葉樹が使用されています。針葉樹は、広葉樹に比べ成長が早く植林等により再生可能な木材としても多く普及しています。手触りが柔らかく、空気を多く含みやすいので温かさという面では広葉樹よりも優れています。

無垢材の比重の違いで質感はどう変わるのか?

木材の樹種ごとによる比重の違いは、硬さだけではなく質感にも違いが出ます。木材が内包する空気層が多い針葉樹は、手で触れた際の質感が柔らかく比較的に温かいという特徴を持っています。水分や栄養を運ぶための導管が乾燥を経て空気層となり、柔らかい反面で「温かい」という表現をされやすいのです。

比重が高い木材は、密度が高く硬いので針葉樹に比べると若干「ひんやり」しています。ただし、これらはあくまで無塗装という事が比較の条件です。多くの無垢材にはウレタンなどの樹脂による塗装が施されています。樹脂塗料を施した木材の質感は、樹種を問わず同様の質感で無塗装に比べ冷たく感じます。

用途や嗜好に合わせて選べる木材の魅力

比重の違いは、木材の特性の一つです。比重が重い=良い木材という事では決してありません。「比重の違いがある」という特性から使用する用途に応じて木材を使い分けたり、見た目や嗜好から木材を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。

木材は、自然の産物であり天然の資材ですので工業製品と違います。均一化できないからこそ普遍的な魅力があるとも言えます。密度の違いは、重量や硬さの違いでもあります。使用したい目的や使いたい木材の硬さなどを比較する際の参考としてご参照いただければ幸いです。

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