「オイル&ワックス 自然塗料のフローリング」が選ばれる5つの理由
2024.02.08
天然のオイルや蜜蝋を原料とした自然塗料は、木材製品との相性が良くフローリングの塗料として人気の傾向にありまず。オスモやリボスなどに代表される自然塗料の原材料は、主に天然の油分(亜麻仁油やヒマワリ油など)とワックス成分(蜜蝋やカルナバ蝋)などが使用されています。
この記事では、自然塗料の種類やウレタン塗装との違いも踏まえて自然塗料の人気の秘密をフローリングの専門店「キャスオンライン」の冨島が解説していきましょう。
目次
- 1:自然塗料の無垢フローリングが人気の5つの理由とは?
- 木の呼吸を妨げない自然塗料の特性と木材の相性
- 健康や安全へ高い意識
- 木材の質感を活かした自然な艶感の魅力
- DIYでも簡単にできるメンテナンス性の高さ
- 使い込むことで増す深みや味わい
- 2:自然塗装とウレタン塗装のフローリング違い
- 自然塗装とウレタン塗装のそれぞれの特徴
- 3:「オイルかワックス?」自然塗料のタイプの違い
- オイルタイプの自然塗料の特徴とは?
- ワックスタイプの自然塗料の特徴とは?
- 4:国内で手に入る自然塗料の代表的な自然塗料メーカー5社
- 自然塗料発祥の老舗的存在「オスモ社」の自然塗料
- 健康志向で人気の「リボス社」の自然塗料
- 使いやすさや手軽さが人気の「アウロ社」の自然塗料
- 国産ワックスの草分け的存在「蜜蝋ワックス」
- プロユーザーに人気のRJ社の「いろは」
- 5:自然塗装フローリングのメンテナンス方法にについて
- 自然塗装/オイル塗装 無垢フローリングの日々のお手入れ方法
- メンテナンスにおすすめのオスモワックス商品の紹介
- メンテナンスワックスのご利用方法
- 6:まとめ
1:自然塗装のフローリングが選ばれる5つの魅力とは?
従来の多くのフローリング材は、ウレタン塗装と呼ばれるウレタン樹脂を硬化させて塗膜をつくる塗装が一般的でした。近年では自然塗料で塗装したフローリング材が人気です。自然塗装のフローリングに人気が集まる理由について解説していきましょう。
魅力①[木の呼吸を妨げない自然塗料の特性と木材との相性]
木材には過度な湿気や乾燥から私たちの生活を守ってくれる調質機能があります。一般的な床材などに使用されるウレタン塗料は、表面に塗膜を形成し保護効果を発揮する半面で木材の調質機能を殺してしまいます。天然のオイルやワックスを原料する自然塗料は、木材の特性でもある「木の呼吸」を妨げることなく水気を弾き空気を通すことができるのです。無垢材本来の温かみや質感を活かすという意味では最も相性の良い塗料といえます。
魅力②[健康や安全への高い意識]
自然塗料の主原料は、天然のオイルやワックスなど自然界に存在する天然成分で構成されています。自然塗料発祥の地ドイツでは非常に厳格な安全や健康への意識や基準が設けられています。安心や安全な生活を送りたいと考える多くの人々からも選ばれています。安全で安心できる塗料として利用できるのも自然塗料の大きな魅力です。
魅力③「木材の質感を活かした自然な艶感の魅力」
木質フローリングの最大の魅力は、工業製品では表現できない木材本来の温かみのある木の質感にあります。オイルやワックスを主原料とする自然塗料は、木材の表面から浸透し木材本来の表情を際立たせて自然な艶感を引き出します。自然塗料の自然な艶や質感は、工業的に作られる艶感や光沢とは違い柔らかさや優しさを併せ持っているので多くの人々を魅了していると言えます。
魅力④「DIYでも簡単にできるメンテナンス性の高さ」
オイルやワックスの自然塗料は、水気や汚れなどに対する耐性を維持するために定期的に上塗りする必要があります。自然塗料を上塗りすることで自然な艶感と取り戻し水気や汚れに対する耐性を維持することができます。専門の業者に依頼する必要もなくDIYで簡単にメンテナンスできるのが自然塗料の良さでもあります。無垢フローリングや挽板フローリングなどの無垢材に厚みのある床材ならDIYで研磨して汚れやシミを取り除くこともできます。
魅力⑤「使い込むことで増す深みや味わい」
無垢の木材は、革製品などと同様に過度な水気と乾燥を嫌います。過度な水気は、カビやシミの原因となり過度な乾燥はヒビや摩耗による劣化の原因となります。オイルやワックスなどの自然塗料は木材の表面から浸透し木材の質感を保ってくれます。革製品などと同様に定期的に油分を加えることで味わいぶかい深みを生み出します。適切なメンテナンスを加え使い込むほどに味わいや深みを生み出せるのも自然塗料による塗装の魅力と言えます。
[自然塗装フローリングのおすすめ商品]
2:自然塗装とウレタン塗装のフローリング違い
◆自然塗装フローリング
◆ウレタン塗装フローリング
自然由来の油分や蜜蝋などの自然ワックスは無垢材に浸透して無垢材を保護する塗装方法です。表面に塗膜がなく無垢材の自然な艶感を際立たせる塗装方法で無垢材の味わい深い色味が引き出されます。ウレタン塗装は、無垢材表面に樹脂塗膜を施すことにより無垢材を保護する塗装方法です。表面に樹脂の硬い塗膜がかかり工業的な艶感が出るのが特徴です。
自然塗装とウレタン塗装のそれぞれの特徴
◆ウレタン&自然塗料の塗装別の特徴
浸透系自然塗装/オイル仕上げ | ウレタン樹脂塗装/塗膜系塗料 | |
---|---|---|
塗膜 | 樹脂の塗膜がない | 塗膜がある |
光沢や艶感 | 自然な艶感がある | 工業的な艶と光沢がある |
撥水性 | ◎撥水性 油分やロウで水気から保護する | 〇撥水性 塗膜により水気を通さない |
耐久性 | △擦り傷 △打ち傷 | 〇擦り傷 △打ち傷 |
塗膜の硬さ | なし | 硬い |
経年変化 | 塗料が取れると表面がカサつく 色があせる | 数年をかけて塗膜が劣化する |
掃除お手入れしやすさ | ◎掃除機、拭き掃除 〇水拭き雑巾掃除(月1回程度) | ◎掃除機、拭き掃除 ◎水拭き雑巾掃除 |
メンテナンス頻度 メンテナンスしやすさ | △定期的なワックスがけが必要 ◎手軽にDIYで再塗装が可能 | ◎定期的なワックスは不要 △主に専門業者が再塗装する |
メンテナンスの際のワックスの種類 | 自然塗料専用ワックス オスモ/リボス/蜜蝋ワックスなど | ウレタン塗料専用ワックス |
3:「オイルかワックス?」自然塗料のタイプの違い
オイルタイプの自然塗料の特徴とは
オイルとワックスの違いを下記にまとめました
◆オイルタイプとワックスタイプの違い
オイルタイプの自然塗料 | ワックスタイプの自然塗料 | |
---|---|---|
浸透性 | ◎木材内部に浸透しやすい | 〇時間をかけゆっくり浸透 |
水気や汚れに対する耐性 | 〇ワックスタイプには劣る | ◎ワックス成分が多くより長持ち |
塗りやすさ | 〇塗りやすいが塗りすぎに注意 | ◎塗料が伸びるので塗りやすい |
自然塗料は、オイルなどの油分とロウなどのワックス成分が主原料です。オイルなどの油分の割合が多いのがオイルタイプの自然塗料になります。オイルタイプの自然塗料は、木材に浸透しやすくしっとりとした質感が特徴です。ただし、塗りすぎなどの塗りむらも出やすいので2回程度に分けて薄く塗り重ねるのがポイントです。
ワックスタイプの自然塗料の特徴とは
ワックスタイプの半固形タイプの自然塗料は、オイルタイプに比べロウなどのワックス成分がより多く含まれています。オイルタイプ同様に油分が木材内部にゆっくりと浸透して乾燥や水気から木材を保護してくれます。半固形タイプで塗料が伸びるので雑巾やウェスなどで塗る際に塗りやすいのが特徴です。オイルワックスに比べワックス成分が多いので水気に対する耐性も高めなのも特徴です。
過去の記事で、塗装や施行事例を紹介しているので、下記の記事もあわせてご覧ください。
4:国内で手に入る代表的な自然塗料メーカー5社
日本国内でも有名な自然塗料メーカーについて解説していきましょう。木質の自然塗料には、外国(主にドイツ)からの輸入品と国産メーカーがあります。毎年国内でも様々なメーカーから多くの自然塗料が販売されていますが、ここでは歴史や国内でも人気などを考慮して5社のメーカーを紹介していきましょう。
1社目:ドイツ発祥の自然塗料の老舗的存在「オスモ社」の自然塗料
環境先進国ドイツ発祥のオスモ社は、140年以上の歴史を誇る自然塗料のリーディングカンパニーです。世界60か国以上で愛用されています。日本国内でもホームセンターやインターネットで手軽に手に入り内外装の木質製品の自然塗料を数多く扱っています。
暮らしの理想をドイツから オスモ&エーデル (osmo-edel.jp)
2社目:健康や安全志向を意識した「リボス社」の自然塗料
オスモ社同様にドイツ発祥の自然塗料メーカーです。40年以上の歴史を誇り日本国内でも有名な自然塗料メーカーです。健康や安全な塗料として人気を博し、成分表の開示など積極的に取り組む自然塗料メーカーとして信頼できます。
3社目:使いやすさや手軽さが人気の「アウロ社」の自然塗料
アウロ社もドイツ発祥の自然塗料メーカーで、日本国内では後発ながら健康や安全面への情報開示に積極的に取り組んで人気のメーカーです。オイルタイプの自然塗料が主力ですが、他社にはないメンテナンス用のワックスシートなどお手入れ商品も充実しています。
自然塗料&オイル、ワックス AURO (アウロ) | 公式サイト
4社目:国産自然塗料ワックスの草分け的存在「未晒し蜜蝋ワックス」
国産自然塗料ワックスの草分け的存在のメーカーです。蜜蝋ワックスのみのラインナップながら早くから安全や安心な製品づくりに取り組み日本の天然木質ワックスの草分け的存在のメーカーです。塗りやすさや使いやすさの面でもトップクラスの人気を誇る国産自然塗料ワックスです。
公式ホームページ:未晒し蜜ロウワックス|小川耕太郎∞百合子社 (mitsurouwax.com)
5社目:プロユーザーに人気のRJ社の国産自然塗料「いろは」
国産塗料メーカーRJ社の「いろは」シリーズは、プロユーザーに人気の自然塗料です。広島県発祥のメーカーで日本建築の現場からプロユーザーの声を聴きながら改良を加え日本の木材にも精通するメーカーです。着色用の自然塗料のラインナップも豊富です。
公式ホームページ:アールジェイ株式会社 | 自然塗料いろは (rj-wax.com)
5:自然塗装フローリングのメンテナンス方法について
すでに自然塗装のフローリング材を購入済みの方にとって気になるのがお手入れ方法ではないでしょうか?ここでは、自然塗装のフローリングのお手入れ方法や頻度、おすすめのお手入れ商品について解説していきましょう。
[自然塗装/オイル塗装 無垢フローリングの日々のお手入れ方法]
浸透系の自然塗装を施した無垢フローリング材は、通常の掃除機で表面のごみやほこりを取り除いてください。表面の自然な艶感がなくなってきたら自然塗装専用のワックスやオイルでメンテナンスすることにより自然な艶感と保護性能がよみがえります。
◆オイル塗装日々のお手入れ方法
通常のお掃除方法 | お掃除の際の注意点 | メンテナンスワックスの使用 |
---|---|---|
◎掃除機 ◎雑巾乾拭き ◎ドライシートでのお掃除 △雑巾での水拭き ※雑巾を固く絞って使用する | 通常のお掃除方法でOK。表面にオイルが塗装されていますので水拭きの頻度は少な目で。化学薬品の使用はNGです。 | オイル塗装用の専用メンテナンスワックスで定期的に油分を与えることで質感と保護性能を保つことが出来ます。 |
[メンテナンスにおすすめのオスモワックス] ※ウレタン塗装には使用できません
オスモ社の自然塗料は日本国内はもちろん世界で利用されているドイツ発祥の無垢材専用保護塗料です。メンテナンス用の塗料として購入しておくと大変便利です。オスモ社の自然塗料は以下のリンクより塗料・メンテナンス商品一覧にてご紹介しております。
オスモウォッシュ&ケアー(日々のお手入れ用 2~3週間に一回程度)
オスモウォッシュ&ケアーは、自然塗装フローリング専用のお手入れ用塗料です。水に希釈して使用するタイプで硬く絞った雑巾などで吹き上げてご使用ください。適度な油分を床材に与えてフローリング材を美しく長持ちさせてくれます。オスモウォッシュ&ケアー以下のリンクよりご購入出来ます。
オスモワックス&クリーナー(汚れ取り&年に1回程度のお手入れ用)
オスモワックス&クリーナーは、自然塗装専用の上塗り用ワックスです。原液をそのままウェスや雑巾などで床面に広く伸ばして使用します。汚れを取り除き、フローリング材に自然な艶感を取り戻してくれます。頻繁に使用する必要はありませんが、フローリング表面が乾燥して気になり始めたらご使用ください。オスモワックス&クリーナーは以下リンクよりご紹介しております。
※ご使用後の雑巾などは必ず水につけて処分してください。
[無垢材への自然塗料ワックス/浸透系オイルワックスの塗り方]
- ①植物性の自然塗料ワックスを取り出し雑巾やウェスなどで広く塗り広げていきます。
- ②余分なワックスが残らないように乾いた雑巾などで乾拭きする。
- ③無垢材の表面が濡れ色になって乾いたら完成です。
※ワックスが付着した雑巾は必ず水に浸して処理する。
自然塗料ワックスがけのタイミング
無垢材の表面がカサつき始めて水気を弾かなくなったり色が褪せてきたらワックスがけのタイミングです。
着色系の自然塗料で塗装する際の注意点
無垢材に色味をつける際に着色系の自然塗料を塗装する事があります。着色系塗料を塗装する際は下地の無垢材をサンドペーパー等で滑らかに仕上げ試し塗りをして色味を確認したうえで塗装する事をおすすめします。色味の濃さを調整する際には数回に分け色を重ねていくと色むら少なくきれいに仕上げることができます。
注意事項
※ウレタン塗装の無垢材には自然塗料のワックスを使用してはいけません。
※自然塗料ワックスは植物系の油分が主原料の為、ワックス後の雑巾は必ず水に浸し処理してください。
フローリングの手入れ方法については、以下のリンクで解説していますので、あわせてご覧ください。
6:まとめ
オイル&ワックスの自然塗装フローリングの人気の理由や代表的なメーカーについて解説してきました。自然塗装のフローリングは、まだまだ一般の方にはなじみがないかもしれません。ウレタン塗装のフローリング材が一般的ですが、一部の建築会社や設計士などプロの方にはよく知られています。メンテナンスなどの手間を惜しまなければ使い込むほどに味わい深い木材の魅力を堪能できる自然塗装のフローリング材をぜひ試してみてください。メンテナンス方法やメーカーのホームページなどぜひ参考にされていただければ幸いです。
無垢フローリング専門店キャスオンラインショップでは無垢フローリングをご検討頂く方のために弊社商品3種まで無料でサンプルを全国発送しております。以下より無垢フローリング一覧(床材ラインナップ)を掲載しておりますので気になる床材がございましたら是非カットサンプルをお手に取って頂き質感をご堪能下さい。
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