フローリングと巾木(はばき)の合わせ方【無垢床Q&A】
2023.06.09
無垢床Q&Aシリーズ第7弾はフローリングと巾木(はばき)の合わせ方に関して、無垢フローリングをご検討頂いているお客様より「巾木は何色が良いですか?」「巾木は床材と同じ木の種類が良いですが?」などよくご相談頂きます。
巾木の選定に関しては正直空間のコンセプトや床面以外の部材(壁面や建具)などの兼ね合いがあって適格なご返答はしづらいのですが、どういった巾木があって役割をになっている等々解説していきます。
巾木ってなんですか?
そもそも巾木(はばき)とは壁面と床面の境目に張られてある細長い板を指します。稀に幅木と巾木と違う部材なのですが?と聞かれますが一緒でございましていずれもはばきでございます。
フローリング同様巾木も素材によって規格や色調など多々ラインナップがありますが、選定するポイントとしては素材感・お色・高さの3点によくフォーカスされることが多い傾向にあります。
巾木の役割
巾木という細長い横板になんの意味があるのか?皆さま疑問に思うのではないでしょうか、巾木を付ける意味というか役割は下記3点ございます。
- 床面の歪み・床鳴りを軽減する
- 壁面を保護する
- 壁と床のすき間を隠す
1:床面の歪み・床鳴りを軽減する
壁や床材の施工のお話しになるのですが面壁面のボード施工・床張りをする際に敢えて隙間を作ります。この隙間のことをクリアランス(余白)と呼称されるのですが、床面の床鳴りや歪みを対策する為の施工方法でございます。
特に無垢フローリングの場合木が季節や湿度・温度などの要因の環境変化により、動く(収縮や反り)為、無垢フローリングの動き幅に対応出来るようクリアランスといって隣り合った床板同士クリアランスを設けて施工するのですが壁際も同様クリアランスを設けます。
2:壁面を保護する
お掃除をする際、掃除機やワイパーが壁面下側にぶつかってしまい巾木が無ければクロスが剥がれてしまったり、打痕が残ったりと長い目でみると生活に支障が出てしまいます。
特に漆喰等ヌリカベに関しては、塗料が衝撃で落ちてきたりするケースもあるので巾木は壁面を保護してくれる重要な役割を担っています。
3:壁と床のすき間を隠す
1:にて解説致しましたが壁面・床面とクリアランスを設けているため巾木が無いと隙間が見えてしまう結果に。
また居室内へ外気が入らないよう断熱対策の観点からも必要とされ、小さい部材かもしれませんが快適な生活を送る際に一役担ってくれております。
巾木を付けないとダメなんですか?
巾木を絶対に使ってくださいとはお伝えしづらいのですが、デザイン面において敢えて巾木を使わないお住まいも勿論ございます。塗り壁等採用された方はお分かりかと思いますが、本来巾木がある場所まで綺麗に壁面をみせてしまうといった施工方法は健康的なお住まいをコンセプトにされている建築会社さまは多いのではないでしょうか。
巾木が無いことで壁面から床面にかけてスッキリとした印象を与えることができますが、施工面において壁と床面の間を綺麗に収める必要がある、経年した際に日常生活において気を付ける箇所が増えるなどデメリットを理解し採用して頂くことをお勧めしております。
- ・巾木とは壁面と床面の境目に位置する内装材
- ・巾木は壁面下部を保護する
- ・同様に壁面と床面の隙間を隠す役割がある
- ・床面の歪み・床鳴りを軽減する
押さえておくべきポイント
巾木の種類
前項では巾木とは・用途に関して解説致しました。巾木の役割を少し知識としてインプットされたのではないでしょうか、次項では巾木の大まかな種類に関してフォーカスしていきましょう。
MDF巾木
MDF巾木とは木材の原料チップと合成樹脂を組み合わせ形成した中質繊維板のことを指します。いわゆる木っぽい巾木でございまして、ごく一般的に住宅にて使われている為よく見られる巾木の一種です。
価格帯に関しては安価であり、お色も豊富ですが杢目調のMDF巾木は表層にシートを張ってことが多い為経年や衝撃で稀に剥がれたりダメージが付きます。
ソフト巾木
ソフト巾木は塩化ビニールで形成された巾木のことで塩ビ巾木とも呼称されます。安価でありお色やサイズなどラインナップは豊富にあり賃貸物件や水回り等によく施工されております。
塩化ビニールで形成する為厚みが薄い為掃除がしやすく、高さも選べる為壁面からスッキリとみせることが出来ます。
金属巾木
金属の巾木はアルミやステンレスなどの素材で形成された巾木であり、いわゆる巾木感(巾木を主張する度合い)が無く床面・壁面ともにスッキリとした印象を与える際に使われます。
巾木の中でも金属系の巾木は価格帯が高く、施工の際も一般の巾木より工期がかかる為コストはかかってしまいますがデザイン性や強度的にも優れており質感が大きく異なるので無垢フローリングとの相性が良好な巾木です。
無垢巾木
無垢巾木はその名の通り無垢材、生粋の木の巾木でございます。無垢フローリングを選定した際無垢巾木は同様の樹種で選定されると統一感が出て木材の温かみ等演出することが出来ます。
しかしながら厚みが出てしまう、コストが若干高い点、塗装によってはメンテナンスを伴うなどネガティブな面もありますが色調を合わせる際は手っ取り早く自然素材重視であれば選択肢の一つになるでしょう。
フローリングと巾木の合わせ方
では無垢フローリングを選定した際どういった巾木を選定すれば宜しいのでしょうか、巾木自体も質感やデザインお色等沢山ラインナップがございますが具体的な無垢フローリングとのあわせ方に関して解説致します。
巾木の色調・質感を壁面に合わせるケース
先ず壁材(クロスなど)と巾木のお色を合わせたらどうなるのでしょうか。壁部分下から見てみると白を基調としたクロス・巾木ですと高さが主張され巾木の存在感がそんなに無いように見えるのではないでしょうか。
先ず巾木をあまり主張したくない場合は壁面とお色を合わせて頂くことをお勧めしております。反対にこだわりのフローリング等床材を主張したい場合に最適な方法でございます。
巾木の色調・質感を床面に合わせるケース
次に床材に合わせて巾木を選定したらどうでしょうか。無垢フローリングの場合同系色の巾木を選定すると床面の色調が引き締まり統一感がある空間を形成出来ます。同じ樹種や表層の塗装の質感も合わせるとさらに統一感が増します。
無垢フローリング・無垢巾木の場合樹種・質感を選べる為ユーズが効きますがMDF巾木はお色や質感が樹種によっては合わないケースもございます。中性的なお色の樹種、チークやブラックチェリーなどは質感やお色の選定を慎重に進めていく必要がございます。
テクニカル編:巾木の納まりの種類
最後に番外編ですが、巾木の収まりに関して解説するのですがそもそも収まりとは壁面からどの位置に巾木を施工するかどうか。壁面の収め方に関しては大きく分けて3種類ございます。
出巾木(ではばき)
出巾木(ではばき)とは壁面よりも5~10ミリ程度出っ張っているな収め方の一つで、最も一般的な収め方法でございます。
巾木自体のラインナップも多くコストもロープライスであり、ネットでも建具や巾木床面をイメージ出来るシミュレーターなどもっとも標準的な収め方と言えます。
入り巾木(いりはばき)
入り巾木(いりはばき)とは出巾木の逆で5~10ミリ程度壁面より引っ込んでいる収め方でございます。金属や塩ビ巾木などの相性が良いことから壁面あら床面にかけて見た目スッキリされたい方にお勧めの収め方です。
出巾木と比べるとデザイン面において優れておりますが、施工手間や巾木自体が高価になることから贅沢な収め方と言えます。
5.無垢フローリングに最適な巾木は?まとめ
如何でしたでしょうか、巾木と言えど色調や空間の見え方が左右する内装材といった点ご理解頂けましたでしょうか。勿論、イメージに応じてご予算や選定する手間など多々ございますが理想の空間などweb上やメディアにて見つけたら床面にフォーカスを当ててみるのも良いのではないでしょうか。
ファッション同様空間もお洒落は足元から、お洒落な巾木を見つけて無垢床ライフ楽しみましょう。無垢床Q&Aまだまだ続きます。