人気の無垢フローリング「アカシア材」の魅力や特徴とは?
2021.12.16

アカシア材は、無垢フローリング材でも近年人気の樹種となりました。アカシア材特有の色味や表情は他の樹種には無い多くの特徴を持っています。アカシア材が人気の理由やその特徴について解説していきます。
目次
- 1:アカシア材の原産地や木材の特徴とは?
- 1-1:アカシア材の原産地
- 1-2:アカシア材の特徴
- 1-3:アカシア材の用途
- 2:アカシアの床材はなぜ人気なのか?
- 2-1:アカシア材特有の色味
- 2-2:比較的に安価なアカシアの無垢フローリング
- 2-3:加工性が良く収縮や膨張の少ないアカシア材
- 3:アカシア材フローリングその他特徴
- 3-1:原産地によって変わるアカシア材の色味
- 3-2:アカシア材特有の辺材と芯材のコントラスト
- 3-3:節やパテ埋めを含む無垢材らしい表情
- 4:アカシア材を長持ちさせる手入れ方法
- 4-1:ウレタン塗装/UV塗装の無垢フローリングのお手入れ方法
- 4-2:自然塗装/オイル塗装の無垢フローリングのお手入れ方法
- 4-3:無垢の床材におすすめのオスモワックス
- 5:まとめ
1:アカシア材の原産地や無垢材の特徴とは?


[アカシア材の原産地]
アカシア材は、東南アジアや北米、オーストラリアにも自生するマメ科の広葉樹です。近年では植林によってベトナムやインドネシア、中国を中心とする東南アジア原産のアカシア材が木材製品として多く流通しています。日本では木製食器や木製雑貨などによく利用されています。アカシア材は、世界に広く分布する広葉樹で600種類以上の細かい分類があると言われています。
[アカシア材の特徴]
アカシア材の種類は非常に多岐にわたりますが、スモールリーフアカシアとビックリーフアカシアの2種類に大別されます。流通する多くは植林により安定的に供給されるビックリーフアカシアです。ビックリーフアカシア材は、黒~黄土色の色味を持ち小径木から伐採されるため、多くが節や辺材(白太)を含みます。加工性が良く適度な硬さがあるので木製食器や雑貨などの木材加工製品によく利用されています。白い辺材(白太)と黄土色の芯材(赤味)の色味がはっきりと分かれているのもアカシア材の特徴です。
[アカシア材の用途]
日本でアカシア材を最も頻繁に目にするのは、木製食器や木製雑貨などです。無垢材らしい芯材(赤味)と辺材(白太)のはっきりとした色味のコントラストが特徴です。近年では、無垢フローリング材や木製デッキ材、家具などでも目にする機会が増えています。



2:アカシアの床材はなぜ人気なのか?

アカシア材の無垢フローリングは、床材の中でも近年人気の樹種となっています。以前は日本でもほどんど見かけることがなかったアカシア材の床材が人気になったのにはいくつかの理由があります。アカシア材の人気の理由を解説していきましょう。
「アカシア材特有の色味」
アカシアの最大の特徴は黄色~茶色の色味です。高級樹種のチークやウォールナットなどに近いこげ茶の色味は落ち着いた雰囲気が演出できます。一般的には無垢フローリング材でも色味の濃い木材は、高級樹種ばかりで高価です。高級材と同様の濃い色味はアカシア材の人気の理由と言えます。
「比較的に安価なアカシアの無垢フローリング材」
一般的に色の濃い木材は希少性が高く高価な傾向にありますが、チークやウォールナットなどの高級樹種と比べアカシア材の床材は安価です。アカシア材は、植林することができる広葉樹なので安価で供給が可能なのです。ただし、20センチ未満の小径木での加工が一般的なので節や辺材を含むのが一般的です。
「加工性が良く収縮や膨張が少ないアカシア」
アカシア材は、切削などの加工がしやすく乾燥後の収縮や膨張が少ないので人気です。アカシアの床材が人気の理由は床材に適した無垢材としての性能にあります。反りや曲がり、割れが発生しやすい木材は加工がしにくいのですが、アカシア材は切削など加工性、形状の安定性にも優れています。床材のみならず、木製の食器や雑貨などにも利用されているのはそういった理由があるのです。
3:アカシア材フローリングの色味とその他の特徴

参考)中国海南島原産アカシア

参考)ベトナムアカシア
「原産地によって変わるアカシア材の色味」
アカシア材は世界で600種類以上の分類があると言われており原産地や品種によって色味が異なります。中国海南島原産のアカシアとベトナム産のアカシアを比較してみると色味や質感が違うのがわかります。アカシア材の色味には、黄土色~黄色~黒といくつかの色味があることを覚えておくと良いでしょう。
「アカシア材特有の辺材と芯材のコントラスト」
アカシア材特有の特徴として辺材(白太)と芯材(赤味)の色味のコントラストの差が大きいことが挙げられます。特にベトナム産のアカシア材は、丸太の径級が小さいこともあり辺材と芯材が混在しこのようなコントラストの差が生まれます。
「アカシア材特有の辺材と芯材のコントラスト」
多くのアカシア材は、植林木を伐採して床材として流通しています。丸太の径級は小さくそのほとんどには節が含まれます。通常の広葉樹フローリングにはグレーディングが存在しますが、アカシア材は節や辺材(白太)を含むナチュラルグレードやラスティックグレードが中心になります。節や辺材は、無垢材にしかない代表的な特徴でもあるのでその表情に魅力を感じる方が多いのかもしれません。
参考)無垢フローリング材のグレーディング

無垢フローリングのグレーディングや種類、知識に関する解説ページはコチラ
無垢フローリングの選び方に迷ったらこちらの特集ページをご覧ください。
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4:アカシア材を長持ちさせるお手入れ方法

アカシア材のフローリングを長く美しく保つお手入れ方法について解説していきましょう。アカシア材の表面の塗装の状態を確認してそれぞれの塗装に合わせてお手入れすることが重要です。表面の塗装の状態によってお手入れ方法が変わります。
[ウレタン塗装/UV塗装 無垢フローリングの日々のお手入れ方法]
ウレタン塗装を施した無垢フローリング材は、掃除機で塵やごみを取り除くだけで結構です。どうしても水拭きが必要な場合には中性洗剤を薄めて硬く絞り汚れを取り除いてください。艶だしを目的としたフロアーワックス等をご使用の際にウレタン塗装専用のワックスを使用して事前に試し塗りを行い艶感を確認した方が良いでしょう。
通常のお掃除方法 | お掃除の際の注意点 | メンテナンスワックスの使用 |
---|---|---|
◎掃除機 ◎雑巾乾拭き ◎ドライシートでのお掃除 〇雑巾での水拭き ※雑巾を固く絞って使用する |
通常の掃除機でのお掃除や雑巾がけ等で問題はありません。水分や液体をこぼした際には速やかにふき取る事。 | 頻繁にワックスを使用する必要はありません。使用する際はウレタン塗装専用で試し塗りをして艶感を確認する。 |
[自然塗装/オイル塗装 無垢フローリングの日々のお手入れ方法]
浸透系の自然塗装を施した無垢フローリング材は、通常の掃除機で表面のごみやほこりを取り除いてください。表面の自然な艶感がなくなってきたら自然塗装専用のワックスやオイルでメンテナンスすることにより自然な艶感と保護性能がよみがえります。
通常のお掃除方法 | お掃除の際の注意点 | メンテナンスワックスの使用 |
---|---|---|
◎掃除機 ◎雑巾乾拭き ◎ドライシートでのお掃除 △雑巾での水拭き ※雑巾を固く絞って使用する |
通常のお掃除方法でOK。表面にオイルが塗装されていますので水拭きの頻度は少な目で。化学薬品の使用はNGです。 | オイル塗装用の専用メンテナンスワックスで定期的に油分を与えることで質感と保護性能を保つことが出来ます。 |
[無垢の床材におすすめのオスモワックス] ※ウレタン塗装には使用できません

オスモ社の自然塗料は日本国内はもちろん世界で利用されているドイツ発祥の無垢材専用保護塗料です。メンテナンス用の塗料として購入しておくと大変便利です。
無垢フローリングのお手入れに関する専用ページはコチラ
無垢フローリングのお手入れ(メンテナンス)・補修(リペア)について
フローリングの総合人気ランキングTOP30特集ページはコチラ
5:まとめ
アカシア材の魅力や特徴、お手入れ方法など解説してきました。アカシア材の無垢フローリングは近年人気の樹種になりました。チーク材やウォールナットなど高級樹種と同様の深い色味やコントラストは、意匠性も高く無垢材らしい表情も楽しめます。床材や無垢材の選定でアカシア材という選択肢で悩まれたらぜひ参考にしてください。