フローリングの耐用年数と適切な張替えのタイミングとは?【無垢床Q&A】

フローリングの耐用年数は?

無垢フローリングをご検討中・フローリング施工後お客様よりインスタやピンタレスト・メールフォームからお問合せ内容を記事としてご紹介する無垢床Q&Aシリーズ。記念すべき第一回目は無垢フローリングの耐用年数とは?SNSのDMなど自宅の床を張替えの際にお問合せ頂く機会が多いのですがショールームでは直接お施主様と言うよりは賃貸物件のオーナーさまに聞かれることが多く、長い目で見たときに改修するコストに見合うかどうかなども踏まえてご相談を頂きます。お客様に直接お答えした内容、耐用年数やリペア・フローリング張替えのタイミングをご紹介していきたいと思います。

1.フローリング別特徴に関して

フローリングといっても沢山の種類のフローリングがあり、木製のフローリングを使っていると仰られお写真をお送り頂くと正直視覚だけでは分からないほど近年床材表面の印刷技術が進化しております。まずどういったフローリングがあるのか図も交えて解説していきます。

シートフローリング

シートフローリング

シートフローリングとは合板基材(下地)の表層にその名の通り薄いシートが張られているフローリングでございます。シート素材にはオレフィンシートやメラミンシートが使われており、無垢フローリングに比べて傷や汚れ水気に強くお手入れ・お掃除など手軽にできるといったメリットがあります。因みにオレフィンととは正式名称ポリオレフィンと呼ばれプラスチック樹脂の一種で、メラミンとはメラミン樹脂のことで同じくプラスチックの一種、オレフィンより耐久性があり建具や収納などの化粧板によく使われております。

突板(つきいた)フローリング

突板フローリング 断面
突板フローリング カタログ

突板(つきいた)フローリングとは合板フローリングと呼ばれる基材に薄い無垢材を張り合わせた床材の一種で表層に0.2mm~0.3mm程度の薄くスライスした無垢材を貼り合わせて成形されています。オーク、チーク、ウォルナットなど様々な樹種や塗装品に関してもラインナップが豊富であり価格帯も幅広く施工性や寸法安定性などの機能面がメリットとして挙げられることが多く木質フローリングの中では最もメジャーな部類のフローリングです。

挽板(ひきいた)フローリング

挽板フローリング 断面
挽板フローリング

挽板とは無垢の木材を薄くのこぎりで挽くという言葉が由来することから挽板フローリングと呼称されております。挽板フローリングは、表層の化粧部分には2~3mm程度の無垢材を使用している合板フローリングです。表層部分の無垢材が化粧面になっており、視覚的に無垢フローリングと見分けが付きません。無垢材の木質感と合板基材の機能性を併せ持っています。突板とよく間違われる方も多いのですが突板と比較すると表層の無垢材の厚みが2-3mm有りグレーディング(木の等級)などが明確なので無垢フローリング寄りの合板といったところでしょうか。杢目や節感なども選べるため工業的な突板よりは自然な風合いを演出出来ます。

無垢フローリング

無垢フローリングイメージ
オーク無垢フローリング

無垢フローリングは、正式には単層フローリングとも呼ばれます。無垢の木材を切り出しフローリング材として形成する為、無垢材の質感を十分に感じられるというメリットがあります。無垢の木材100%で製造する為、表面の硬さや価格帯は材質によって大きく変わるのが特徴です。無垢の木材によって製造されるため、切り出した木材を選定する過程で無垢材のグレード(等級)が発生し価格帯に影響します。無垢の木材の原材料からしか製造できないので合板フローリングのように均一的な品質で工業的な大量生産ができにくいという特徴があります。

2.フローリングごとの耐用年数

前項では各種フローリングごとの呼称や特徴をご紹介させて頂きました、大まかにフローリングの種類をイメージ頂けたのではないでしょうか。各種フローリングによってコストやメンテナンス性や施工性など様々で一概に全部このフローリングが良いとお勧め出来ないのが現状で、メリット・デメリットを踏まえご検討頂いております。さて早速本題であるフローリングごとの耐用年数に関してご紹介させて頂きます。

フローリングごとの耐用年数比較

        

床材耐用年数メンテナンス性
シートフローリング10年以上◎通常お掃除可
突板フローリング10~15年〇通常お掃除可
挽板フローリング10~15年〇水気に注意
無垢フローリング30年△水気に注意

出典:スマイティ:賃貸経営

先ずフロアタイルはキズがつきにくく、湿気を吸い込みにくいため、日々のお掃除も安易に出来ることから耐久性に優れています。又破損しても部分的に補修ができますが表層のクオリティが落ちて来るのが10年程といわれております。そして突板・挽板フローリングは10-15年と言われており耐久性がある反面、傷がつくと修繕しにくいという特長があり、無垢材と基材合板を圧着させる接着剤に寿命があるといったポイントが起因しております。最後に無垢フローリングは表層をリペアすることができることからフローリング別で比較した際耐用年数が30年以上と長いと言われております。樹種別や室内環境において比較すると細かく分かれると思いますがきちんとケアをしてあげることでより長く活躍してくれるフローリングと言えます。

フローリングをリペア・張替えのタイミング

フローリング別耐用年数はあくまでおおよその基準でございますので、無論現状の床の状態を確認して頂き徐々に今後どのようにケアしていくが考慮していくのが適切かと思います。しかし現状の床の状態を見極める際どういったポイントがあるのでしょうか?現況のお住まいや今後購入を検討されている戸建やマンションなどセルフチェックしていく項目を解説していきます。

傷・水シミなど汚れが目立つ

フローリング 傷

無垢フローリングの場合傷や凹みなど表面をサンディング(研磨)したのち再度塗料を施すことができます、水染みも同様深く浸透していなければサンディング⇒再塗装の手順でリペアすることが出来ます。コーヒーやワインなど強めの色素の水染みに関しては深く浸透するとサンディングしてもシミが取れない可能性があるので日々生活の中で注意が必要です。挽板フローリングを無垢フローリング同様の処置でリペアすることが出来ますが表層の厚みが2-4mmの為サンディングする際厚みも考慮しつつケアして頂くことがポイントです。突板やシートフローリングに関しては傷や水染みなどに強い特性がございますが、経年した際表層材が捲れたり深めの傷がつき基材が見えたなどは張替えも視野に入れて検討して頂くことをお勧めしております。

歩行した箇所が床鳴りする

フローリング 床鳴り

床鳴りとはその名の通り歩行し踏み込んだ箇所がきしんで音が鳴る事象を指します。フローリング材が変形、下地材とフローリング材のボンド圧着の不備、下地材や根太が消耗している、白アリ被害など要因は様々でフローリングの張替えを行って解消するケースもあれば下地から根太部分などいわゆる床下まで組みなおし解消するケースなどございますが専門家立ち合いの元解決していくデリケートな問題になります。床鳴りした際は最寄りの施工業者さまにご相談頂くことをお勧め致します。

フローリングが波打っている

フローリング 波打っている

フローリングが湿気や水気を含み、放出するスペースが無い場合床材が盛り上がった箇所、盛り上がってない箇所ができフローリングが波打っている事象となります。無垢フローリングや挽板フローリングの場合充分に水気を含んだ雑巾で水拭きをしないようにお願いしている為波打ったなど報告は無いのですが突板や合板フローリングを施工しており、水拭きした、バケツの水をこぼしたまま放置、宅内水回り部にて充分に喚起を行わなかったなど
水気が床面に滞留しやすい環境を作ると床材表面が波打ったり、踏み込んだ際浮いた感覚があるなど報告されております。波打ちした事象が発生すると床材張替え、下地や基礎部の調整が必要となります。

上記いずれも経年した際に住環境によって発生する事象で有り、傷は浅いうちに処置をする、十分に喚起を行う、水気はなるべく滞留させないなど日常生活でケア出来るポイントがほとんどであり床材へのダメージや湿気が積み重なると発生するケースでございます。日々床面をケアしつつ内装材の中では床面が一番負荷がかかる箇所なので張替えする際は耐用年数も考慮しながら検討していきましょう。

3.フローリングを長持ちさせるポイント

フローリングを長持ちさせるポイント

上記にてフローリングが劣化した際の主な事象について解説致しましたが生活環境において十二分にケアすることでより長く快適なフローリングの状態を保つことができます、お掃除方法や日常生活で気を付けて頂きたい点をご紹介させて頂きます。

突板・シートフローリングの日々のケアするポイント

掃除方法

基本掃除機でホコリやゴミを取ったのちフロアワイパーなどで定期的にお掃除しましょう、傷や水気に強いのが合板フローリングのメリットでありますが、水拭きをする際長時間行ったりフローリング表面に水気を残すとトラブルの原因となる為固く絞った雑巾や薄めのタオルなどで拭きげることが大切です。水拭きを行ったあとは必ず喚起をし空気の入れ替えを行うことで湿気の滞留を防ぎフローリング表面の湿度も適正に保つことができます。

日常生活で注意するポイント

飲料水などこぼした際はフローリング材の中まで浸透するとシミになる可能性が有る為なるべく早く拭き上げましょう、またテーブルやソファーなど家具を引きずると経年劣化の原因となるため傷防止シート、クッションシールなど傷防止グッズを使用しなるべく傷付かないようケアすることが大切です。

挽板・無垢フローリングのケアするポイント

掃除方法

突板・シートフローリング同様基本掃除機でホコリやゴミを取ったのちフロアワイパーなどで定期的にお掃除しましょう、木製フローリングは水気を吸収しやすい為水拭きする際は可能な限り水気が残らないよう吹き上げることが重要なポイントです。そして最近「ロボット掃除機を使って良いですか?」とお施主様よりよくお問合せ頂きます、使用しても問題ございませんがとロボット掃除機の使用や床材表面の塗料など考慮し使って頂くことをお勧め致します。稀にロボット掃除機に固い何かが挟まって床面を傷つけたといった報告も有る為床面になるべく物がない時にロボット掃除機に稼働して頂きましょう。

無垢フローリング ロボット掃除機

日常生活で注意するポイント

日常生活で注意するポイントも突板・シートフローリング同様水や食べ物などこぼした際はさっと拭き上げましょう、日々生活で水気に注意し冬場は冬物家電(ヒーターやホットカーペット)は無垢フローリングにとって
急激な温度変化を与える為温風ヒーターやストーブのご使用の際には機器の下部に必ず断熱マット等敷いてご使用下さい。


無垢フローリングは隙間が気になる?

無垢フローリングは天然木の恩恵である木肌を感じる温かみや香り、シートやフロアでは再現出来ない杢目のコントラスト。又経年変化することで生活環境に適応し味わい深い親しみのある床材になるなど幾多の魅力に満ちております。


無垢フローリング取り扱い上の注意点

無垢フローリングは、合板フロアーなどと違いその取扱いや保管、施工に際して無垢の木の特性に配慮した十分な注意が必要な商品です。無垢フローリングの必要な最低限の知識を図解を交えながらご説明させて頂きます。

4.フローリングの耐用年数とは?リペアや張替えのタイミングまとめ

如何でしたでしょうか、今回は無垢フローリングというよりはフローリング全般の耐用年数にフォーカスをあて解説させて頂きました。フローリングごとにおおよその劣化する目安はあるものの現況どういった状態なのかを見極めることが大事でいざリノベーションを行う際や中古物件を購入する際、どの種類のフローリングのなのか、張替えされた時期など参考にして頂ければ今後床を張り替えた方が良いのか?リペアすると使っていけるのかなど検討の材料の目安としてご活用下さい。無垢床Q&Aシリーズ次回は「無垢フローリングのお洒落な張り方」に関して解説していきたいと思います。

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