白系の最高峰「メープル(カエデ)材」の魅力や特徴とは?
2022.09.12
日本ではカエデ(楓)の名称でも知られているメープル材は白色系の無垢材の中でも非常に人気な部類であり堅牢性が高く、豊かな杢目の表情と緻密な木目は、家具材やフローリングなどの内装材としても人気があります。
優し目の表情と滑らかな質感は男性よりは女性人気が高く清潔感や明るさを象徴とする空間やお部屋に最適な無垢材と言われております。
今回はメープル材の魅力や特徴を解説していきます。
この記事ではフローリング床材専門通販「キャスオンライン」の冨島が無垢フローリングにまつわる知識やお手入れ方法などをわかりやすく解説していきます。
1.メープル材の4つの特徴と原産地
メープル材は白色の無垢材の代表格と言われ、古来から家具や雑貨、内装材に関しては建具材やフローリング材、造作材などに使われてきました。下記より主な特徴と概要を解説してきましょう。
メープル材の概要と原産地
カエデ科に属するメープル材は、主に北米~ロシアやヨーロッパを中心とする寒冷地に多く自生する広葉樹です。世界的には、北米原産のハードメープルが有名でウォールナットやブラックチェリーと並ぶ北米三大銘木に数えられています。身近なところではカナダ産のカエデからとれるメープルシロップでおなじみの樹木です。日本では、イタヤカエデが有名で実はもみじも同類のカエデ科に属しています。
メープル材の4つの主な特徴
世界的には北米産のハードメープルが有名で、白系の木材として最高峰の質感から「白の女王」とも評されています。北米産のハードメープルや国産のイタヤカエデも辺材(白太)部分が白く加工性にも優れています。反面で芯材(赤味)部分は、茶褐色で寸法安定性や加工性が悪く主には利用されません。代表的な特徴としては、以下4つの特徴を持っています。
- ・白や肌色のなめらかな質感と緻密な木目
- ・波状杢やバーズアイ(鳥眼杢)などの美しく杢目を含む豊かな表情
- ・黒い筋状のカスリ(ガムスポット)を持っている
- ・時間の経過とともに白~肌色の色味は飴色へと変化する
メープル材の用途
メープル材は、家具や楽器、フローリングや内装材などに主に利用されています。身近なところでは、ボーリング場のレーンなどの床材としても使用されています。カエデ科に属するシカモアは、バイオリンなどにも利用されています。世界的な名器ストラディバリウスの裏板に使用されていることは良く知られています。加工性や寸法安定に定評があり、何よりも美しい木目のメープル材だからこそ古くから様々な用途で利用されているのでしょう。
2.フローリング材としてのメープル(カエデ)の魅力とは?
歴史的に高価な楽器や家具として作られてきた背景があるメープルは今も尚、高価な価格で取引されたり当時の斬新なデザインと併せて語り継がれてきた一面がございます。ではフローリング材界隈から見たメープル材に関して解説していきます。
「飽きのこない豊かな杢目の表情」
メープル材の最大の魅力は、自然の産物でもある様々な木目の表情にあります。ハードメープルやイタヤカエデなどの木材の表面に現れる不規則な杢目には、工業製品では表現できない美しさがあります。さざ波のような波状杢や鳥の目のように評されるバーズアイ(鳥眼杢)など様々な表情が不規則に現れます。
また、ガムスポットやカスリと呼ばれる黒い筋状の線もメープル材の特徴です。他の木材よりも多くの意匠的な特徴を持ち合わせるメープル材だからこそ古くから多くの人たちを魅了してきたのでしょう。
※ガムスポットは、成長過程で必要な樹脂を内包しておく場所が痕として残ったものです。
「清潔感のある色味」
白~肌色の清潔感のある色味もまたメープル材特有の魅力と言えます。木材は樹種や産地によってその色味が大きく異なります。白系の木材はいくつからありますが、メープル材は白系の広葉樹の中で最も代表的な樹種としても有名です。美しい木目と清潔感のある色味から比較的に女性からの人気が高い傾向にあります。
3.白系フローリングの最高峰として人気の理由
「飴色に変化する自然な色味」
メープル材は、時間の経過とともに白色から飴色に色味が変化していきます。日焼けや酸化などによる経年変化によって多くの木材は茶色に変化していきます。ただし、油分を多く含むメープル材は自然な艶感を保ちながら色味が飴色に変化していきます。
木材に含まれる油分の量は乾燥から木材を保護し、美しさを長持ちさせる重要な要素です。チーク材などに代表される油分を多く含む木材の価値が高い要因の一つは相当の油分を含み、油分の量が多いことによる意匠性や耐久性などが挙げられます。色味の変化の美しさもメープル材が古くから高い人気を保つ理由とも言えます。
「類似する色味のカバ材との違い」
同じ広葉樹でも類似する白系の色味としてカバ材(バーチ)が比較されます。メープル材は世界的に高級材ですが、カバ材は比較的に安価で流通しています。カバ材は、メープル同様に白系の広葉樹としてフローリングでも多く取り扱われています。カバ材(バーチ)とメープル(カエデ)では、木材自身に含まれる油分の量に違いがあります。油分が豊富で乾燥からの保護性能に優れたメープルは、収縮や膨張の比率も比較的に緩やかで自然な艶感を保ち続けることから高級材として認識されています。
「適度な硬さと寸法安定性」
メープルは、フローリング材としても適度な硬さを持ち寸法安定性にも優れています。傷や摩耗にも比較的に強く加工性も良いので長く高級木材として取り扱われています。同じ白系の木材でも桧やカバと比べ、硬さや寸法安定性に優れていることが美しさとともに最高級の木材として取り扱われている理由とも言えます。
◆無垢フローリング材のグレーディング
無垢フロ―リングのグレーディングや種類、知識に関する解説ページはコチラ
無垢フローリングガイド|無垢フローリング専門店キャスオンライン (cas-online.jp)
無垢フローリングの選び方に迷ったらこちらの特集ページをご覧ください。
プロのおすすめ【フローリングの選び方】 (cas-online.jp) (cas-online.jp)
無垢&複合フローリングの施工事例の確認はコチラ
施工事例 アーカイブ – 無垢フローリング専門店キャスオンラインショップ (cas-online.jp)
4.メープル(カエデ)材を長持ちさせるお手入れ方法
メープル材のフローリングを長く美しく保つお手入れ方法について解説していきましょう。メープル材の表面の塗装の状態を確認してそれぞれの塗装に合わせてお手入れすることが重要です。
表面の塗装の状態によってお手入れ方法が変わります。
[ウレタン塗装/UV塗装 無垢フローリングの日々のお手入れ方法]
ウレタン塗装を施した無垢フローリング材は、掃除機で塵やごみを取り除くだけで結構です。どうしても水拭きが必要な場合には中性洗剤を薄めて硬く絞り汚れを取り除いてください。艶だしを目的としたフロアーワックス等をご使用の際にウレタン塗装専用のワックスを使用して事前に試し塗りを行い艶感を確認した方が良いでしょう。
通常のお掃除方法 | お掃除の際の注意点 | メンテナンスワックスの使用 |
---|---|---|
◎掃除機 ◎雑巾乾拭き ◎ドライシートでのお掃除 〇雑巾での水拭き ※雑巾を固く絞って使用する | 通常の掃除機でのお掃除や雑巾がけ等で問題はありません。水分や液体をこぼした際には速やかにふき取る事。 | 頻繁にワックスを使用する必要はありません。使用する際はウレタン塗装専用で試し塗りをして艶感を確認する。 |
[自然塗装/オイル塗装 無垢フローリングの日々のお手入れ方法]
浸透系の自然塗装を施した無垢フローリング材は、通常の掃除機で表面のごみやほこりを取り除いてください。表面の自然な艶感がなくなってきたら自然塗装専用のワックスやオイルでメンテナンスすることにより自然な艶感と保護性能がよみがえります。
通常のお掃除方法 | お掃除の際の注意点 | メンテナンスワックスの使用 |
---|---|---|
◎掃除機 ◎雑巾乾拭き ◎ドライシートでのお掃除 △雑巾での水拭き ※雑巾を固く絞って使用する | 通常のお掃除方法でOK。表面にオイルが塗装されていますので水拭きの頻度は少な目で。化学薬品の使用はNGです。 | オイル塗装用の専用メンテナンスワックスで定期的に油分を与えることで質感と保護性能を保つことが出来ます。 |
[無垢の床材におすすめのオスモワックス] ※ウレタン塗装には使用できません
オスモ社の自然塗料は日本国内はもちろん世界で利用されているドイツ発祥の無垢材専用保護塗料です。メンテナンス用の塗料として購入しておくと大変便利です。
無垢フローリングのお手入れに関する専用ページはコチラ
無垢フローリングのお手入れ(メンテナンス)・補修(リペア)について
フローリングの総合人気ランキングTOP30特集ページはコチラ
5.まとめ
メープル材の魅力や特徴、お手入れ方法など解説してきました。メープル材のフローリングは白系の木材としては価値が高い最高級の高級木材として扱われています。寸法安定性や適度な硬さを持つといった特徴を持っており、何よりも美しく緻密な木目や滑らかな質感が最大の魅力とも言えます。時間の経過とともに飴色に変化する色合いも大変魅力的な木材です。ぜひ木材選びのご参考にしてください。