「無垢材の経年変化」を樹種ごとに写真で変化を完全紹介

無垢フローリングの経年変化

無垢フローリングの特徴の一つとして挙げられる経年変化。経年することによる色彩・コントラストの変化といった特徴は工業製品では再現出きない無垢材ならではの質感や色調を追求することが出来ます。ではどのように変化し色味が変わっていくのか今回は無垢材の経年変化8つの樹種に関してご紹介致します。

この記事では無垢フローリング床材専門店「キャスオンライン」の冨島が無垢フローリング経年変化に関して分かりやすく解説していきます。

目次

1:無垢材は長く使うとどんなふうに変化するのか

無垢フローリングの経年変化

天然の木材を切り出し加工した無垢材は、家具や床材など私たちの身の回りに多く利用されています。本物の木だから少しだけ高価なイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。無垢材は、単色では表現できない豊かな色味のコントラストを持っていますが、長く使用するとどのように変化するのでしょうか。無垢材が経年変化によってどんな風に変わるのか解説していきましょう。

1-1:日焼けや酸化による無垢材の色味の変化

無垢材を5年10年と長く使用すると色味の変化が第一に挙げられます。無垢材は、紫外線による日焼けや酸化が主な原因となってその色味は時間とともに変化していきます。一般的には、多くの無垢材は日焼けや酸化によって徐々に黄色やブラウンの色味へと変化していきます。ただし、無垢材は樹種ごとに本来持っている色味や表面の塗装の状態によってその色合いの変化には差異があります。

1-2:無垢材自身が持つ油分やメンテナンスによって変わる艶感

無垢材は、木材自体が持つ油分の量が樹種によって異なります。油分を多く含む代表的な樹種として有名なチーク材などは時間とともに飴色に変化していきます。油分が少ない樹種であっても、無垢材専用のメンテナンスオイルやワックスでお手入れすることによって木材が本来持つ自然な艶感を蘇らせることができます。時とともに無垢材が美しくなるか劣化するかの分かれ目は油分がもたらしてくれる自然な艶感とも言えます。

1-3:無垢材特有の変化する木目の表情

無垢材の木目の表情も時間の経過とともに変化していきます。無垢材の木目がぼんやりと不明瞭に変化していくこともあれば辺材(白太)と芯材(赤味)がくっきりと明瞭になるなどの変化も起きます。変化の度合いは樹種や塗装の種類、メンテナンスの頻度によっても大きく異なります。

2:樹種ごとの無垢材の経年変化

ここでは様々な木の種類ごとに日焼けや酸化に伴う無垢材の色味の変化を解説していきましょう。無垢材は、それぞれの木が持つ本来の色味が異なります。そのため無垢材の色味の変化も様々です。

オーク材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

オーク材 経年変化

オーク材は、経年変化に伴い茶色から黄色みがかった色味と変化していきます。木目も辺材(白太)部分は薄く芯材(赤味)部分は濃い色味が残り天然木ならでは自然なコントラストが明瞭になっていきます。

ウォールナット材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

ウォールナット材 経年変化

ウォールナット材は経年変化により黒色から濃い茶色へと色味が変化するのがわかります。全体的に色味が薄くなっていく印象を受けます。辺材や芯材部分の色味のコントラストは、より明瞭になり木目の力強さも健在です。

メープル材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

ハードメープル材 経年変化

メープルは、時間の経過とともに飴色へと変化していきます。色味の変化は均一的で木材本来の油分が多いので艶のある飴色といった感じです。質感は非常になめらかな状態を保ち、メープル材特有のちぢみ杢などの木目がより美しく変化していきます。

ブラックチェリー材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

ブラックチェリー材 経年変化

ブラックチェリーは、全体的に赤みが抜けてより無垢材らしい自然なコントラストの色味へと変化していきます。含まれる油分の量が多いので自然な艶感と美しい木目がより明瞭になっていきます。

チーク材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

チーク材 経年変化

チーク材は、他の樹種に比べ経年変化の差が小さいのが特徴です。チーク材に含まれる油分の量が多く自然な無垢材の艶感が増していきます。全体的にブラウンの色味が濃くなる部分と薄くなる部分の差はありますが、美しく明瞭な木目も健在です。

サクラ材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

サクラ材 経年変化

ピンクやベージュの色味が混在する西南桜は、時間の経過とともに色味が濃くなる傾向あります。桃色の部分は赤く変化していきクリーム色の箇所は黄色いお色に変化していきます。

杉材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

杉材 経年変化

杉材は経年変化することで黄色味が増します。10-20年単位で見ていくとキャンプ場のバンガロウや旅館などでよく見かけますがさらに深みが増しコーヒー色のような黒色の艶やかな雰囲気に。

桧材の経年変化

◆左が新品、右画像が経年変化した床材(経年5年後)

ヒノキ材 経年変化

桧材のフローリングは経年すると飴色になっていき経年前と比べると自然と光沢が出るようになります。各樹種限らず経年変化は紫外線による影響が大きく木材に含まれる「リグニン」という成分が紫外線を吸収し変化していきます。

他にも酸化したり摩耗したりと要因はあるのですが経年変化することで合板やシートでは再現出来ない自然なコントラストを再現できます、これまで各樹種の経年変化をご紹介いたしましたが経年するにあたり日々のメンテナンスを施すことでより綺麗な無垢材を堪能することが出来ます。次項では無垢材のメンテナンスに関してご紹介させて頂きます。

3:美しく味わい深い無垢材の表情を保つためのメンテナンスとは

無垢材本来の美しさを保つためにはお手入れが欠かせません。無垢材は皮製品などと同様に水気や乾燥が大敵です。定期的に油分を含むオイルやワックスでお手入れすることによりその美しさを保つことができます。

3-1:無垢材表面の塗装の有無や種類とメンテナンス方法

まずは無垢材表面の塗装の有無や種類を確認しましょう。塗装の種類によってメンテナンス方法が変わります。

A:ウレタン塗装[樹脂系塗膜塗装/UV塗装]

UV塗装フローリング

ウレタン塗装は、無垢材表面に樹脂塗膜を施すことにより無垢材を保護する塗装方法です。表面に樹脂の硬い塗膜がかかり工業的な艶感が出るのが特徴です。

B:自然塗装[自然ワックス/オイル塗装]

自然オイル塗装フローリング

自然由来の油分や蜜蝋などの自然ワックスは無垢材に浸透して無垢材を保護する塗装方法です。表面に塗膜がなく無垢材の自然な艶感を際立たせる塗装方法で無垢材の味わい深い色味が引き出されます。

C:無塗装

無塗装フローリング

無塗装は、言葉の通りに塗装を施さない状態を指します。水気や日焼けに対する耐性が低いため劣化が早いのが特徴です。

無垢材の塗装の種類が変わればメンテナンスの方法も変わります。

参考)ウレタン&自然塗料の塗装別の特徴

ウレタン樹脂塗装/塗膜系塗料 浸透系自然塗装/オイル仕上げ
塗膜 樹脂の塗膜がある 塗膜がない
光沢や艶感 工業的な艶と光沢がある 自然な艶感がある
撥水性 ◎撥水性
塗膜により水気を通さない
〇撥水性
油分やロウで水気から保護する
耐久性 〇擦り傷
△打ち傷
△擦り傷
△打ち傷
塗膜の硬さ 硬い なし
経年変化 数年をかけて塗膜が劣化する 塗料が取れると表面がカサつく
色があせる
掃除お手入れしやすさ ◎掃除機、拭き掃除
◎水拭き雑巾掃除
◎掃除機、拭き掃除
〇水拭き雑巾掃除(月1回程度)
メンテナンス頻度
メンテナンスしやすさ
◎定期的なワックスは不要
△主に専門業者が再塗装する
△定期的なワックスがけが必要
◎手軽にDIYで再塗装が可能
メンテナンスの際のワックスの種類 ウレタン塗料専用ワックス 自然塗料専用ワックス
オスモ/リボス/蜜蝋ワックスなど
オスモメンテナンス商品

「無垢材専用のメンテナンスワックス」
オスモ社の自然塗料は世界中で愛用されるドイツ発祥のナンバーワンメーカーです。

無垢フローリングのお手入れ方法は、以下のページで解説しているので、下記の記事もあわせてご覧ください。


無垢フローリングのお手入れ方法

無垢フローリングは、見た目の美しさや本物の木のすばらしさから新築やリノベーションの際にはぜひとも無垢の木の床材を採用したいと検討される方が多くいらっしゃいます。


無垢材とは?

床材やテーブルなどに使用される木材でしばしば使われる「無垢材」という言葉。専門的な無垢材の世界から床材や家具に使用される代表的な種類やお手入れ方法などをわかりやすく解説していきます。無垢材ならではのメリットやデメリットも踏まえてご覧ください。

3-2:無垢材表面の質感を蘇らせるサンディング(研磨)の手順

サンディング 準備

無垢材は、表面が汚れていてもサンドペーパーなどでサンディング(研磨)することによりその質感を取り戻すことができます。頻繁に行う必要はありませんが10年20年と使用した無垢床材などではサンディングすることでお部屋の表情が一変しますので参考までに覚えておきましょう。

[サンディングと再塗装の手順]※無塗装品や自然塗装品の場合

1.無垢材の表面をサンドペーパーで研磨していきます。部分的な場合は手でも可能ですが、床材などの場合には専用の電動工具がおすすめです。きれいに仕上げるコツはサンドペーパーを目の粗い物(100番台)→中目(200番台)へ2~3回程度に分けて研磨していくとより滑らかに表面を仕上げることができます。

養生
サンディング
サンディング完了の様子
ワックス塗布

2.無垢材の表面が滑らかに仕上がったら掃除機で細かな木くずを取り除き自然塗料やワックスを塗装してください。薄く広く伸ばしながら仕上げていくと塗りムラが少なくきれいに塗れます。表面が飴色や濡れ色に変化したら半日程度乾かせば完成です。

再塗装完了

※ウレタン塗装などの場合は研磨が困難な場合があります。専門業者にお願いする必要があります。
※ウレタン塗装が塗布された無垢材には自然塗料は浸透しませんので必ずご確認ください。
※自然塗料には油分が多く含まれます。ご使用後は放置せずに必ず水につけて処理してください。

4:本物の木だけが持つ「時ともに増す味わい」を楽しむ

チーク無垢フローリング 施工事例

無垢材には時ともに増す深い味わいがあります。長い時を経て至る美しさを「経年美」という言葉でしばしば表現されますが、手を加えられ変化していく無垢材の深い味わいも経年美と言えます。表面的に汚れていても表面を削れば何度でもその美しさが蘇ります。本物の無垢材を使用した楽器や家具などは数十年、数百年と手を加えながらその美しさを保ち深い味わいが増していくものもあります。

無垢材の経年変化はしばしば劣化と同等に考えられますが、革製品などと同様に使い込み、手を加えるたびに増す深い色味や艶を楽しむことができるのも無垢材の長所なのです。本物の無垢材は、使い方や手入れによって深い味わいが増すという事とその過程を楽しめるのも無垢材の魅力と言えます。

5:まとめ

無垢材や木材に関する経年変化に解説してきました。無垢の木材は、時間の経過とともに自然と変化するだけではなく環境や使い方、メンテナンスなどによって同じ無垢材でもその変化の度合いは全く変わります。樹種ごとの経年変化する木材の特徴やメンテナンス方法を理解してぜひ無垢材のある生活を楽しみ、お役立てください。

無垢フローリング専門店キャスオンラインショップでは無垢フローリングをご検討頂く方のために弊社商品3種まで無料でサンプルを全国発送しております。以下より床材・無垢フローリング一覧(床材ラインナップ)を掲載しておりますので気になる床材がございましたら是非カットサンプルをお手に取って頂き質感をご堪能下さい。

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