無垢フローリング上張りとは?職人直伝の施工方法をご紹介

田中工房さま 上張り

弊社サイト内にて図解で解説させて頂いております無垢フローリングの施工方法。主に下地を用いた張り込みに関してご案内しておりますが今回は上張りといって既存フローリングの上に張り込みを行う方法を田中工房さま監修の元実際に施工を行いながら解説頂きました。これから無垢フローリングを施工する際上張りしたい等実践される方必見の内容となっておりますので是非御覧ください。

今回レクチャーして頂く先生
黒田常務
田中工房/田中さま

Profile:関西の老舗リフォーム会社にて施工歴20年以上の経験。
木造住宅をはじめ耐震補強工事や無垢材を使ったリノベーションを長年手掛けており家具や
造作など木工事を得意としている施工のプロフェッショナル。

今回レクチャーして頂く先生は田中工房の田中様。無垢フローリング専門店キャスオンライン博多ショールーム開設当初からお客様で有り、お施主様より施工のご依頼があるとご相談したり、施工して頂いたりとお世話になっている方でございます。田中先生直伝の無垢フローリングの上張りとは?張り込み方法に関してご紹介させて頂きます。

1.無垢フローリングの施工方法

無垢フローリングの施工方法

無垢の床材を永く楽しむ為にはフローリングの質の良さも大変重要なのですが、下地の配置、クリアランスといった無垢フローリング特有の呼吸を妨げないよう・・・

先ず上記リンクにて解説しておりますがおさらいも兼ねて無垢フローリングの施工方法には大まかに3種類の工法をご紹介致します。

根太工法・捨て貼り工法

根太工法・捨て貼り工法

はじめにいずれも下地を用いて施工する方法が根太工法捨て貼り工法と呼称されておりその名の通り根太工法は床下下地を根太として、根太上から直接無垢フローリングを床張りしていく工法です。そして根太の上に下地板(コンパネetc)を張り、下地板上に無垢フローリングを張り込む工法を捨て貼り工法と呼ばれリノベーションの現場では既存床、床下地が古くて改修しないといけないケースや、スケルトン(居室内全て解体)するケースなど採用される工法です。いずれも床面の高さを調整できるメリットが有る為、建具の兼ね合いや居室内の床面全てフラットにするバリアフリー化などで用いられます。

上張り工法

今回実践する上張り工法とは、既存床の上に新たにフローリングを張り込む工法で重ね張りとも呼称されております。上張りすると床面が高くなるため、建具や収納ドアと干渉しないなど上張りする際考慮しないといけませんが床面が水平・床材が腐食していない・床面レベル(高さ)を挙げても問題ないなど条件をクリア出来れば新規フローリングを張り込むのみの工程となる為工期もかからず比較的カジュアルな工事といえます。

2.フローリングの並べ方の種類

冒頭に先ず張り方に関してご紹介致しましたが、無垢フローリングを張る際並べ方で居室内の見え方や施工方法など異なります。

乱張り

乱尺張り

定尺張り

定尺張り

定尺張り

定尺張りの中でも1尺ずらし、3尺ずらし、レンガ張りなど長さを合わせていきフローリングを張る手法を指します。但し長さの基準を揃える必要が有る為技術的には高いレベルが要求されます。こだわったフローリングの張り方と言えます。

乱尺張り

無垢フローリングや複合フローリングの張り方として最もスタンダードな張り方です。長さが一定でない張り方、フローリングの継ぎ手の位置がランダムになることにより自然なフローリングの表情が生まれやすくなります。フローリングの端材が出にくくなりロスの無い張り方が出来ます。

今回はオーク材の表情を楽しみたいのとロスをあまり出したくないので乱尺張りに決定しました。
既存のフローリングを下地として新たな複合フローリングを上張りする方法を選択しました。

今回上張りするフローリング

今回はあまり部屋が広くないので出来るだけ明るい中間色のフローリングということでfl-3003 オーク複合フローリング ナチュラルグレードを採用して頂きました。3mm厚の挽板材を張り合わせた複合フローリングなので本物のオーク材の質感もバッチリ存在感を出してくれます。表面はドイツの最高級自然塗料オスモ自然塗装が施され無垢のオーク材の素材感を損なわない艶感が魅力的な床材です。尚且つ150mm巾という幅広タイプなのでオーク材の杢目が美しく出やすい為人気のフローリング材です。

3.フローリング上張り施工実践

オーク複合フローリング施工事例

今回8畳のお部屋にオーク材の挽板フローリングを上張りして施工していきますがいざ張り込みする前に準備が大切でございます、田中さまより現場で行う施工前の下準備に関して伺ってまいります。

オーク複合フローリングを仮並べ

オーク複合フローリング 仮並べ

オーク複合フローリングを仮並べしていきます。何故この作業が必要かと言うと節の感じやオーク材本来の色味を8畳の中で均等にする必要があるから。お部屋の外周部には家具材などで隠れることが多い為節や色ムラが多めのフローリング材を施工するようにして、中心部には極力色味を合わせた綺麗な無垢フローリング材を配置すると自然な風合いでバランスの良いフローリングの施工が出来まするとのことです。今回は複合フローリングなので比較的色むらが少なく仮並べの手間があまり必要有りませんでした。但し無垢フローリングの場合には色むらが大きい為必ず仮並べをしてからフローリングを施工した方が良いでしょう。

墨出し

墨だし

墨出しは床面の現況を把握する為ガイドを書き出す作業、真っ白なキャンバスに下書きするような工程ですね。下地に基準線を設けてフローリングが真っすぐ施工出来るためのガイドの選を墨だししていきます。DIYで一般の方が施工する場合は墨でなくてもマジックやボールペンなどで基準の線を設けると施工しやすくなります。

張り込み一枚目

オーク複合フローリング 張り込み

墨出しした箇所に一枚目のオーク材を手前が凸(オザネ)になるようにサネの向きに気を付けネイラーとボンドでしっかり固定していきます、田中さん曰く「フローリングの張り出し1枚目はしっかりと固定し強度を高めておかないといけないのでピッチ狭めにネイラーを打っていく」とのこと。後程ずれないように慎重に1枚目を張り込みましょう。

オーク複合フローリング ボンド塗布

稀にDIYで施工検討されているお客様より「木工用ボンド使って良いですが?」と言ったお問合せを頂くのですが木工用ボンドは基本NGです。木工用ボンドの水分を無垢材が吸収してしまい膨張してしまったり木工用ボンド自体が硬化する為床鳴りの原因になります。必ず床材専用のウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤を採用しましょう。

4.壁際の凹凸部をカット

オーク複合フローリング 手ノコでカット

1枚目のオーク材を張り込んですぐ建具の枠部凹凸に差し掛かったのでカットする部分をスケールで計り凹凸に合わせて手ノコでカットしていきます。2枚目はお部屋の長さに応じてカットしていきます。

オーク複合フローリング タッカー

上記の作業で凹凸に合わせてカットしながらオーク材にボンドを塗布しピンタッカーで上張りしていきます。コツは凸サネ(オザネ)斜め45度からタッカーを固定していくと下地にしっかり固定出来る為斜め45度を心掛けつつ張り込みを行いましょう。

2列目以降の張り込み

オーク複合フローリング どつき

2列目にくるフローリングは1列目にカットした残りのフローリング材を使います、残りのフローリングが短すぎる場合はカットしていない新しいフローリングを貼ります。2列目以降は長手方向に伸びるフローリング材の長さをカットする作業が必要になってきます。1列目のフローリングに2列目のフローリングを差し込む際には上記のような木材の当て材を使いフローリングを綺麗にはめ込んでいきます。但しカチコミすぎないよう注意をしておきましょう。
※フローリング材カチコミすぎると将来的に突き上げのリスクとなります。

オーク複合フローリング施工事例4

2列目以降のフローリング材の施工手順は長手方向のフローリング材のカットが必要になります。その後はフローリング材にボンドを接着しネイラーでフローリングを固定していく作業を黙々と行います。3列目以降はフローリングの張り込み作業に慣れて来るので少しづつ作業スピードが上がるでしょう。

最終列のフローリング材の張り込み

オーク複合フローリング施工事例5

DIYにて初めて施工される方は一番の難所なのではないでしょうか。最終列のフローリング材の張り込みはスケールで板幅を計りフローリング材の凸サネ(オザネ)側をカットする作業が必要になります。一般的には壁際のフローリングの張り込みには若干のクリアランス(隙間)を5mm程度設けておいた方が良いでしょう。壁際のクリアランスの上に巾木を施工することによって隙間が見えなくなります。

オーク複合フローリング施工6

きちんとスケール板幅を計った後凸サネ(オザネ)側カットしていきます。

オーク複合フローリング施工事例6

カットしたフローリング材にボンドを塗布し叩いて入れる作業、最終列はネイラーは不要です。

オーク複合フローリング施工事例7

一番最後に壁側からもトントンと雄ザネを固定していきます。

完成

オーク複合フローリング施工事例8

完成でございます、お写真だと伝わりづらいのですがかなり幅広い床材なので臨場感が抜群でございます。

オーク複合フローリング施工事例9

別角度から、かかった時間2時間半程度。

オーク複合フローリング完成
オーク複合フローリング LDK
オーク複合フローリング 別角度

オーク複合フローリング上張り施工のポイントまとめ

【 1.仮並べ】
フローリング材の梱包を開けてフローリングの色むらや節のバランスを見ながら施工する場所を決めていきましょう。
【2.墨出し】
既存の下地の上に基準線を設けてフローリングが綺麗に施工出来るように墨だしする作業です。
【3.張り込み一枚目】
壁際から一枚目のフローリングを施工する作業になります。
【4.壁際の凹凸部をカット】
壁際の凹凸に合わせてフローリングをカットする必要が有る為多少難易度の高い作業です。
【5.2列目以降の張り込み】
フローリング材をはめ込んでいく為に当て木などを使うと手早くフローリング材のはめ込みが上手に出来ます。長手方向のフローリング材は壁際までの長さに応じてカットして3列目以降で仕様していきます。
【6.最終列のフローリング材の張り込み】
壁際までの距離を計りフローリング材の幅をカットする必要があります。但し多少の隙間を設けて巾木などで隠してしまえば綺麗にフローリングの上張りが完成します。

如何でしたでしょうか。リノベーション物件をお手本にフローリングの上張り施工方法を解説していました。DIYやリフォームでフローリングの上張り施工を検討されている方は是非参考にされてください。

今回ご協力頂いた会社様:田中工房様

田中工房様webサイト

今回採用されたフローリングの商品スペック

オーク複合フローリング

商品名 FL-3003 オーク複合フローリングナチュラルグレード[オスモオイル塗装]
サイズ (L)1818㎜×(T)15㎜厚×(W)150㎜巾  6枚入り 1.63㎡
仕様 複合フローリング・オイル仕上げ・ソリッド(OPC)タイプ・幅広・エンドマッチ・床暖房対応

 

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今回博多ショールームにご来場頂きまたまた熟考の末オーク複合フローリングを選ばれたお客様宅のご紹介です。 数あるフローリングの中からオークの複合フローリングを選んでいただき有難うございます。 スッキリとした空間にやや節有りのオーク、小粋な照明具合もシンプルさを演出してくれてます。

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