無垢フローリングの規格ユニとは?【無垢床Q&A】
2022.06.28
無垢床Q&Aシリーズ第3弾はショールームにご来場頂いた際によくご相談頂く内容無垢フローリングの規格ユニタイプに関して。カタログやカットサンプル等をご確認頂いた際もっとも分かりづらい箇所が無垢フローリングが継いでいる床材と継いでいない床材の違いについて実際にご質問を頂くケースが多く、どのように違うのか、見え方がどの程度変わるのかを今回解説していきたいと思います。
目次
1.無垢フローリングの規格に関して
- ①
- ②
- ③
先ず無垢フローリングのユニタイプに関して解説する前におおまかな規格に関して。上図を見て頂くとお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが違いが分かるでしょうか。
上から①ユニタイプの無垢フローリング、続いて②ソリッドタイプフローリング、そして最後に③FJLタイプフローリングでございます。今回のテーマである「無垢フローリングの規格ユニとは?」の最も重要なポイントは無垢フローリングを継いでいるかどうか。継いでいると聞くと一見何を継いでいるのか?と疑問が生じますが1枚板に対して無垢材をどのように接合しているかどうかで無垢フローリングの規格を見分けることが出来ます。実際に床張りした際の表情や購入する際のコストなど継いでいるかどうかで変化するのですが主要の規格を下記より早速解説していきたいと思います。
2.無垢フローリングの規格ユニタイプ
無垢フローリングのカテゴリーだけでいってしまえば国産材(杉・檜・松など)以外ユニタイプの割合が非常に多く無垢フローリングの各無垢床材メーカーのラインナップを見るとユニタイプの表記が多く目につくのではないでしょうか。
ユニタイプフローリングの特徴
ユニタイプとはunitedの略称で長手方向に継いでいる無垢フローリングを意味します、一枚の板を形成するために長さがまちまちの数枚の板を接着剤で縦方向へつなぎ合わせ一枚の床材を形成しています。原木に対して製材時資材ロスが出にくく、生産効率が良い為安価になります。ユニタイプフローリングは無垢材をつなぎ合わせている為一枚板のフローリングに比べ寸法安定性が高く前述の通り無垢フローリングの中ではポピュラーな規格でありオークやチーク、ブラックウォールナットなど人気な樹種にて採用されている傾向にあります。
ユニタイプフローリングを施工した際の見え方
ユニタイプ無垢フローリングを施工した際継いでいるピース(板)が多くなるほど杢目や節や風合いなど樹種ごとのキャラクターを楽しむことができます、一枚のピースがランダムに入る為色ムラは一枚板に比べて目立ちますが樹種ごとの表情を堪能することができ空間のコンセプトを一層引き立たせます。
上画像はアカシア無垢フローリングの施工した際の様子、住居から賃貸物件、店舗など様々な用途で使用されております。ユニタイプ無垢フローリングは90mm幅~120mm幅の規格がスタンダードであり自然を満喫する雰囲気の空間や木質間を表現した際にはおすすめの規格でございます。
おすすめユニタイプ無垢フローリング
ユニタイプフローリングの概要に関して解説致しましたがいざ無垢フローリング選ぶとなるとどういった床材があるのでしょうか、弊社ショールームにてご来場頂いた際に人気のユニフローリングを一部ご紹介致します。
オーク無垢フローリング
おすすめ度 | コストパフォーマンス | 施工性 | メンテナンス性 |
---|---|---|---|
★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
オーク材は言わずと知れた無垢フローリング界隈の代表格であり、日本国内では非常に流通している樹種の為コストパフォーマンスも高くインテリアや壁面など様々な内装材と調和することが出来る為人気樹種でございます。ショールームではオーク無垢フローリングを求めて比率が高く、オーク無垢フローリング・ユニ・120mm幅は鉄板の規格と言えます。弊社床材ラインナップ内では巾・塗装・グレーディング別に分けご紹介させて頂いております、詳しくは下記よりご覧ください。
ブラックウォールナット無垢フローリング
おすすめ度 | コストパフォーマンス | 施工性 | メンテナンス性 |
---|---|---|---|
★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★ |
ブラックウォールナットは高級銘木の代名詞であり力強い杢目、天然の濃紫色の木肌が特徴的な木材です。床材として使用した場合、落ち着きある中に時折見せる複雑な木目と、黒淡紫のグラデーションが自然物でしか作り出せない表情がとても味わい深い印象をお部屋作りに生かす事が出来ます。ウォールナット材は衝撃や摩耗にも強く、加工性能が高いため高級家具材としても多く利用されているおります。ユニ無垢フローリングとしても人気の一角でありラグジュアリーな空間や落ち着いたシックな雰囲気を演出する際選定されるケースが多く、意匠面に関して根強いファンが多い樹種でございます。
チーク無垢フローリング
おすすめ度 | コストパフォーマンス | 施工性 | メンテナンス性 |
---|---|---|---|
★★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ |
チーク材は南洋材(熱帯地域産木材)のカテゴリーでメジャーな樹種であり床材として独特の特性を持っており加工性がよく堅くて害虫にも強く、さらには水分にも耐性がある為船の甲板や寺院など古くから耐久性が必要なロケーションに重宝されておりました。茶褐色のコントラストは和・洋問わず調和することができブラックウォールナット同様ラグジュアリーな雰囲気を演出する空間や西海岸ライクな海を基調とした空間などで選定される傾向にあります。
3.無垢・複合フローリングの規格ソリッドタイプ
前項では一枚板の中に数ピース継いでいるユニタイプフローリングに関して解説致しました。無垢フローリングとして形成する際継いで一枚の無垢フローリングとなるのでコストパフォーマンスが良く、無垢材のキャラクターを楽しむことができる規格でしたがソリッドタイプとは?解説していきたいと思います。
ソリッドタイプフローリングの特徴
ソリッドタイプとはsolidのひとかたまり略称で、OPC(onepeace)とも呼称されつなぎ目のない一枚板で形成されたフローリングを意味します。1枚板で形成されるため比較的高価で希少価値が高く評価されます。土足文化の一般的な欧米やヨーロッパなどでは比較的多く使用されており、衝撃に比較的強く表面を研磨することにより何度でもその表情が蘇るのもメンテナンス先進国の欧米、ヨーロッパ諸国で人気の一つに挙げられます。
ソリッドタイプフローリングを施工した際の見え方
ソリッドタイプフローリングを施工した際、ユニタイプに比べ杢目や色ムラなど表情が少なくなる為奥行きが生まれ自然でダイナミックな木目を感じる床面を表現することが出来ます。ソリッドタイプは無垢フローリングだけでなく挽板(ひきいた)フローリング・・・合板基材に2-4mm厚の無垢材を張り合わせた床材も人気でありオークやチークやウォールナットなど人気銘木のラインナップも市場では多く大振りな杢目や樹種ごとの表情を嗜みたい方々にはおすすめの規格でございます。
挽板(ひきいた)?突板(つきいた)?ってなんですか?
弊社ショールームにて挽板と突板の違いに関してよくご相談頂きます。いずれもソリッド(一枚板)タイプなのですが最大の違いは合板基材に張り合わせた無垢材の厚みでございます。突板は厚さ0.3mm〜0.5mm程の無垢材をスライスし合板に貼った床材。挽板は鋸(のこ)刃で挽いた板(厚さ204mm程)を合板に貼った床材を指します。詳しくは下記より挽板・突板に関して解説しておりますので気になる方はチェックしてみて下さい。
おすすめソリッドタイプ無垢・挽板フローリング
ユニタイプ同様弊社ショールームにて人気なソリッドタイプの無垢・挽板フローリングをご紹介致します。
ブラックウォールナット無垢・挽板フローリング
おすすめ度 | コストパフォーマンス | 施工性 | メンテナンス性 |
---|---|---|---|
★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ |
ユニタイプも人気ですがソリッドのブラックウォールナットフローリングは大振りな杢目と黒色のコントラストは一見の価値が有り、ショールームにいらっしゃったお客様は先ずウォールナットのショーケースを最初にご覧になる方が多く他の樹種のフローリングと見比べても圧倒的な存在感を誇ります。飾っても良し床に張っても良し強烈な個性を放ちます。
ボルドーパイン無垢フローリング
おすすめ度 | コストパフォーマンス | 施工性 | メンテナンス性 |
---|---|---|---|
★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★ |
ボルドーパイン無垢フローリングはフランスはボルドー地方原産の海岸松で日本でよく耳にする松(パイン)材とは少々異なり同じ松材であるものの堅牢性が高く頑丈で耐久性が高い無垢材です、ボルドーパイン材は、塗料のりが良いという特徴を活かし表層の塗装や加工を施したフローリングが製造されており、単色での色使いに限らず2種類以上の色を組み合わせて色むらをあえて出すという意匠性の高さは、アートの本場フランスならではの感性が感じらます。
ブラックチェリー複合フローリング
おすすめ度 | コストパフォーマンス | 施工性 | メンテナンス性 |
---|---|---|---|
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
ブラックチェリーは主に北米の北東部に生育する樹種であり赤みを帯びたコントラスト、柔らか・優し目の木肌が人気のフローリングでございます。杢目は大人しく主張しすぎない表情の為フローリングは勿論高級な建具材や家具材などで使用されます。経年変化が分かりやすいのも特徴の一つで時を重ねるごとに赤褐色の色彩は深みを増し、和・洋問わず意匠面も統一感を出しやすい樹種です。
4.無垢フローリングその他の規格
これまで無垢フローリングのユニ・ソリッドに関して解説致しました、継いでいるかどうかで無垢フローリングの板1枚単位で見え方が変わり無論床張りした際も変わります。無垢フローリングの規格ユニタイプ・ソリッド
タイプ以外にも規格がございます。下記よりその他の規格に関して解説していきます。
乱尺タイプフローリング
乱尺とは尺(長さ)が乱れている(揃っていない)という意味で無垢フローリングの一枚ごとの長さがまばらな形状の無垢フローリングの仕様を指します。長さが異なる無垢板材フローリングとして施工する際の張り手間がかかりますが継いでいない一枚板の為無垢の木の自然な杢目や表情を活かしやすく、欧米やヨーロッパ圏にて主流の規格となっております。ユニタイプ特有の接合した継ぎ目でなく自然な継ぎ目なのでユニだとちょっと・・・といったお客様にうってつけの規格でございます。
FJLタイプフローリング
FJLタイプフローリングとは(F)フィンガー(J)ジョイント(L)ラミネイテッドの略語で一枚のフローリングを形成するのに数枚~十数枚の板を接着剤によって縦つぎや横つぎを施して形成されたフローリングを指します。接着剤を多く使用して形成されており無垢材のロスも少ないため比較的安価な商品が多く、寸法安定性や無垢材の弱点である反りや曲がりなどが比較的少ないという特徴も持っております。
5.無垢フローリングの規格ユニについてまとめ
如何だったでしょうか、無垢フローリングの規格ユニとは?に関して解説させて頂きました。無垢フローリングを選定する際色味や樹の種類からお好みの空間に適しているかどうか熟考する際、継いでいるか、一枚板なのかで見え方が変わります。少々アバウトですがお部屋床面をスッキリさせたい方は挽板やソリッドタイプのフローリングを、自然な空間、床面を主張したい際はユニタイプのように選定の際に指標を明確化しご検討下さい。